黒子のバスケ BL

□赤い空をつかむ
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次の日



「赤ちーん!おはよ!」

「おはよう、じゃないだろ今・・・もう夕方だぞ」

「うん!でも赤ちんに会ったのは今日初めてだから、おはよう!」

「・・・おはよう」

「うん!」


洛山高校の制服に身を包んだ赤ちんを見ると、帝光中を卒業した日を思い出す。

まだ、みんな同じ制服を着ていたとき。


「もう、返ってこないんだな」


って、寂しそうに、でも凛々しい顔で言った。


その赤ちんの声が、少しだけ震えていたことを、俺はすぐにわかった。



俺は、何も答えられなかった。



「赤ちん、今日も一人?じゃ俺と帰ろ?」

「ん、そうだな」

「あ、そーだ!赤ちん、あの公園行かない?」

「?」

「小学校のとき、タイムマシン、埋めた」

「あぁ・・・そうだな、行くか」

「うん!」


また昨日と同じ空。


そんな赤い空の下で俺はにこにこと笑った顔してた。


「ここのへんかな」

「そうじゃないか、そういえば、このジャングルジムあたりだろ」

「じゃ掘るよー」


公園に落ちていたスコップで掘る。

記憶を甦らせながら。






カンッ


「あ」

「ここじゃないか?」

「そーかも・・・ちょっと待って・・」



ざくざくと掘る音がする。


「あ!あった!・・・よいしょっ・・・・と!」


小さなクッキーの缶を取り出し、土をはらう。


「あけるよ」

「あぁ」


中には、2通の手紙と、あとはガラクタがどっさり。


「とりあえず、手紙からだよな」

「うん」


「紫原敦さま」「赤司征十郎さま」

って、2つの紙を取り出す。


「これ、もしかして俺が赤ちんに書いて、赤ちんが俺に書いたのかな」

「そういえば字が・・・・多分そうだろ」

「わぁー、赤ちんなんて書いたの?」

「覚えてるわけないだろ、」

「あ、そっか。っていうか今から読むんだし、いいか」

すこし黄ばんだ封筒の中から、白い紙を取り出す。


小学校時代の、赤ちんの字だ・・・。


「えっと・・・・なに・・・」
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