黒子のバスケ BL

□合宿の中の裏事情
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「合宿中だってのに、もやもやしすぎだよな!」

「何がだよ」

「え?あ、いや、なんでもない!独り言独り言ー!」


眼鏡を取り、椅子に座って休憩する真ちゃん。


「そういえばさ、さっき眼鏡とったらほとんど何も見えないって言ってたっしょ?」

「そうだが」

「それってどれくらい?これ、見える?」

俺は手をピースサインして真ちゃんに見せる。


「・・・・・・すまない、わからん」


「いや謝んなくても・・・。じゃ、これは?」


と、真ちゃんのラッキーアイテムのくまのぬいぐるみを差し出す。

「くま」

即答・・・・。



「じゃ、これは?」


俺は、自分を指差してみた。



「・・・・・・・高尾。・・って、何故自分を指差す」

「俺の名前呼んでほしかったから!」

「・・・・・。」

「・・・・・・ごめん」

「いや、別にいいのだよ」

「うん」



わかってる。俺の一方通行だって。

無理やりだってわかってるよ・・・。


でも、ホントはちゃんと、今だって、下の名前とかで呼んでほしかったし。


俺は電気を消した。

外は真っ暗で、月の光だけが部屋に注いだ。

今日は満月だ。



「!?・・・高尾?」

「電気消えたら、俺、見えない?」

「ああ・・・今どこにいるんだ?」

「さぁ?どこでしょーか!」

「高尾」

俺には見える。真ちゃんの顔。

嫌そうな顔してる。


「・・・真ちゃん、ちょっといい」

「?何が・・・んっ・・・」



チュ・・・・


「・・・俺には見えるからね」

「高尾・・・おまえ何する気なのだよ・・・ひゃっ?!」

俺は真ちゃんの耳を甘噛みしたあと、ぺろぺろと舐めまわした。

真ちゃんの耳元に少し、俺の唾液がつく。


「真ちゃん、今真ちゃんがどんな顔してるか、自分でわかってる・・・?」

「わっ・・・わからんっ・・・」

「じゃあ教えてあげる。・・・・・・・今ね・・・



目が潤んで、顔が火照って・・・耳まで真っ赤なんだけど・・・」



「やめろ!!!」


「!!・・・・あ・・・・ごめん・・・。電気、つけるから・・・」


そう言って俺は電気をつける。


ぱっと視界が明るくなった、・・・気がする。


俺の視界はまだ真っ暗だ。


真ちゃんは眼鏡をつける。

もうだめだ。ごまかせなくなってきた。

俺・・・もう真ちゃんと今までどおりでいられる自信がない・・・。


「・・・・真ちゃん・・・ごめ・・・」


「おまえは・・・なんでこう俺を惑わせるのだよ・・・」


「・・・・・へ?」

「高尾、おまえ自分で、もしかして一方通行なんじゃないか、とか考えてただろ」

「え・・・・っと・・・うん・・・」


なに・・・?何が起きてるんだ・・・?


わけのわからないまま、俺は真ちゃんの横に座る。
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