曲パロブック

□VCL.NIC keep wall ACT3
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VCL.NIC keep wall ACT3
ヴァクレ.エヌアイシー 阻む壁


VOCALOID。それはカラクリ(ガラクタ)人形。
近未来の、技術が発展した街ではロボットで遊ぶと言うのが流行っていた。

モテない男、遊びたい男、現実逃避する女。SMを好む女。

そんな奴らの相手をするのが彼ら、VOCALOIDの仕事になっていた。
元々、彼らは歌うために作られた音声ソフト。しかしその声は甘い悲鳴を作り出すために使われ、既に歌うことはなかった。

毎日知らない人に抱かれ、無理矢理声を出す。

より人間さを出すため、嘘の声を出す。

期待の裏には、予想どうりの虚しさがあり、あまりにもプログラムが大きすぎて受け入れ作業に時間を食った。

ジジ、と言うノイズ音。月一度の点検。内部の液体を製造するものを補充する。

不具合でひどい頭痛がするのだ。
歌いたい。と私は思う。こんな事に使いたくはない。
すでに思考は空回り、嫌な日々が続く。

灰色の空。一つも灰なんて 残しちゃイケないはずなのに…。

夢で見たのは目眩がする程、眩しいあの世界。
レン君やリンちゃん。メイコ姉やカイト兄が笑い合って、その中に私がいた。
しかし、その夢の彼女らはフッ、と光になって消えた。

現実は鋭く胸に突き刺さる。
私は、部屋に戻り泣いた。取り乱して。

今夜はきっと眠れない。

胸がざわついて、きっとさっきの夢を永遠とループする。

半信半疑で泳いでみるのも、たまにはその夢が悪くないと思えた。
しかしそれも嘘ばかり。そんな中どんな場所でも自分は変わりはしないのに。
自分はただのガラクタ。変わるのは世界。

まわりを見ると幸せそうなカップルが街をあるいていた。それはいたって普通に見えた。
私たちの愛され方と違う、両想い。


普通の幸せ。普通の暮らし。普通って何?


目眩がする程、着せられたあの世界で、きっと今の私が行ったら………前の私でも騙し合い仇になっていた。それでいいの?


私は取り乱して、今夜、現実から抜け出した。否、逃げだしたのだ。
弱音全部吐き出して泣きたいのに、泣けない理由はまだ終わらない。
私の夢の中だから。


目眩がする程、広がるあの世界。
皆で笑いあって、ゲームしていたあの頃。
必ずつかむ。その為に私はここに立ってるよ。

取り乱して今夜私は駆け出す。
素直は飾らないの。

おもむいたまま、行きなさい。

誰かがそう言ってくれたから。
最終的に求めるのは君の腕の中がいいの。
否、皆の温かな光の中にいたいの。
私の歪んでる声は、灰になって、そして……――――――


END

――――――――――
なんだろう。
銀魂の曲、暗いの多いのか?
それとも私がシリアス思考に持ってってるのか?

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