曲パロブック

□VCL.NIC mad dancer ACT2
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VCL.NIC mad dancer ACT2
ヴァクレ.エヌアイシー 狂ったダンサー



「興奮する」

金の輝く髪を後ろで束ね、相手の刀と己の刀と交わせていた。
喧騒と乱舞の間に興奮していた彼は狂おしく相手を切り付ける。
しかし余りにも大勢の相手が居すぎて彼の掻いた汗が落ちた。

「こういうシチュエーションは好きなのかい?」
「そういうのは嫌いじゃない」
「ふーん?」
「本当さ」

彼自身が想像するより現象を骨身の髄に刺せ。
それも血潮が錆びる前に。

さぁ、と靡く春風に磨かれて彼の髪と比例するように彼の左目から燃え上がる薄ら紅の炎。
彼は踊るように刀を振り回し、切り捨てた肉の塊を踏み潰しながら、高笑いをしながら自ら赤い液体の中に体を沈めて行った。
それは全て衝動。影を踏まれたように衝動が襲い掛かってくる。

まっしぐらと書いて驀地(バクチ)と読んだ、ダンサー達は今日も踊り狂った。

「踊ろうよ」

金色の髪を赤く染めて、ニヤリと笑った。





金髪の、頭にリボンをつけた少女は風前灯を消した。
その度に自然と涎が枝垂た。
パラノイドなリズムで部屋に響く愛の音。
彼女は自ら露出した服を脱ぎ、相手の上に覆いかぶさった。

「切らさないで。閉ざさないで」

高鳴る体にぬるま湯かけ合えば彼女たちは満たされる。

部屋に溢れる愛の液と無償に響く男女の声。
金髪の彼女と金髪の彼は既に体は全てをさらけ出し、抱きしめ合った。

二人は青空にあこがれて、しかし飛ぶことができなくて。
地上でしか舞い上がることの出来ない薄ら紅の蝶なのだ。

「生きるために生まれた」「飛ぶために羽ばたいて」

驀地に彼らは踊りだす。

「踊ろうよ」

彼女は彼の耳元でそう呟き、また抱きしめ合った。

「永遠に快感していよう」

その快楽だけの瞬間を瓶に詰めて。


唯我ある飛び方でいつかはやれる。



春風に磨かれて燃えさかる彼の左目と彼女の右目。それは同じ薄ら紅だった。

衝動の影にやられたように、二人は刀を取り出した。彼らは微笑みながら刀を相手に向けて笑う、それこそが真の驀地ダンサー。

青空にあこがれて。
舞い上がる薄ら紅は紅から赤にかわる。
生きるために生まれた。いつから変わった?
嫉妬に食い尽くされた二人は同時に相手の胸を一差しした。
それはまさしく。

驀地ダンサー

   驀地ダンサー


       バクチ・ダンサー




―――――――――――
んー。
すごく暗い。
バクチダンサーの二番に関してはえろすぎる。
レンリン美味しいよ。もぐもぐ。

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