突端相思寄話

□パンジー
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銀→←土
<最終>銀土 甘




気付いたら土方の事を
気に掛けていて、

自分の気持ちに
素直になったら
「好き」という想いに
たどり着いた。




-----パンジー


今日の万事屋の仕事は
花屋の手伝い。

朝は早いし、
あとはジャンプ読むくらい
暇があったな…。

そんでもって
一日終わったら
花屋のおばちゃんが
一つの小鉢をくれた。


種はパンジーだと。


俺は普段花なんか
育てる人間じゃないから、
どうしようかとも思ったが、
せっかく貰えんなら
貰っとこうというわけで
寝室の窓辺に置いてある。

植物や動物は不思議なもので
自分が育てれば
自然と愛着が湧いてくる。



数日が経ったある日、
小鉢には蕾のままの
直ぐにも花開きそうな
パンジーが育っていた。


俺は嬉しくなり、
花屋のおばちゃんに
話をしにいった。

「おばちゃん!!
こないだ貰ったパンジーが
もうすぐ花咲きそうなんだ。
楽しみだな。」

「銀さん、枯らせずに
よく育てたね。
そうだ。
パンジーの花言葉って
知ってるかい?」

「知らねーけど。」

「パンジーはね………」

「心に想ってる人でも
いるなら、その人に
プレゼントすれば良いよ。」

今日、おばちゃんに
会って話できて良かった
と心から思った。

さて、副長さんに
たまには花でも見てもらって
息抜きしてもらおうかな…。



「あ、ジミー。
副長さんいる?」

「旦那、こんにちは。
副長室に籠もってますよ。」

「ありがとう。
ちょっと副長さんの時間
借りるわ。」


ジミーの返事を聞かず
俺は副長室へ。

どうせジミーも
気付いてんだろ?
俺が土方のこと好きだって。



「……。誰だ。」

あらま。声掛けてないのに
気配で察知?

「流石、土方。」

「万事屋か…。」

返事もなしに勝手に
副長室へ失礼。
…やっぱ仕事してました。

「何か要か?」

あぁそうだった。
渡しに来たんだ。

「はい。これやる。」

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