天狗が用心棒、承ります!
刻は江戸、処は高尾山。
「お前は力が弱いんだから、人間界に下って力をつけてきなさい。」
「人間界に、ですか?」
「あぁ、お前は我等の棟梁となる男だ。もっと強くなってもらわねば困るのだ。」
「人間界に行って、何をすれば良いのですか?」
「それはお前自身が決めろ」
「お前は、我等天狗双瘋組≠フ次期棟梁なのだから。」
天狗。それは、日本の妖怪の中でも大きな力を持つものとして畏れられている。
そんな天狗達の中でも、一目置かれている組≠ェあった。妖怪世界では、どんな種類の妖怪でも、近くに住まう同じ種の仲間と集まって組を造り、規模拡大などを狙っていく。
―――そんな組の名は、双瘋組。
その、双瘋組に、一人の天狗の新たな伝説が生まれる。
その天狗の名は、胡摩木陰。
天狗が用心棒、承ります!
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