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ほらあな


和と洋で真っ二つに分かれている寮の一室。
神宮寺レンと聖川真人は同室で、授業後のレッスンをすることもなく、
部屋に戻ってきた。
制服から部屋着に着替えようとする真人を、背後からレンが抱きすくめる。

「待て…神宮寺」
「待てって、何を?」

すでに男の無骨な象徴が、真人の狭間に当たっている。
身体を捩って抵抗するも、レンの掌は真人に火のような愛撫を注いでくる。
制服の上から胸板をしつこく撫で回し、耳たぶをかじり、
うっかり漏らした声を聞き逃さず、「ほら」と、
勝ち誇ったように笑い、ベストをシャツごと捲し立ててくる。
真人のおなごのような素肌が外気にあたる。


「縛ってくれ、って俺に懇願してみ?いつもみたいに」


下着もおろされてしまい、真人は火照った羞恥顔を横にふる。レンが舌打ちをした。
真人の一番実り豊かな下の肉を揉みしだく。


「頼むから、やめてくれ…っ」
「やっぱりAクラスだねえ。学習能力がまるでない」


言うと自分のベッドに、真人を突き飛ばした。
凄艶な美しさのある四肢がシーツの上で項垂れる。
ベッドに乗り上げてくるレンに、真人は怯えの色を隠せない。
だが全身に立てている鳥肌は、何も恐怖心によるものだけではない。


「俺は基本優しいから、お前の望みは叶えてやるよ。ああ、そうだ。たとえ娼婦みたいにはしたない物言いで、
お前がすがってきてもね」


聖川財閥の御曹司で、いかにも模範となる品行方正な聖川真人。
自分とは正反対のこの男に、「外道」の烙印を押してやりたい。


「黙ってると言いふらしちまうよ。聖川真人は、聖川財閥の御曹司にはそぐわない、汚れていて、下品で、卑猥で…」
「やめ…」
「男の堅い“アレ”が大好きな、とんでもないスケベ野郎だってさ」
「ふざけるなっ」


耳を塞ぐ真人。そんな真人を仰臥させ、両手首をつかみ、


「あれ、この前は何て言ってたかな。『その大きなモノをください』って、
俺に泣きついてたくせに」
「それは、お前がっ」
「ん?」


湿り気のある声を耳に吹き込み、レンは自分のネクタイで締め上げる。
一瞬、その硬質な美面をしかめて、悦のため息をもらしたのをレンは見落とさず、晒された二つの桜色の身の片方を、
きつく吸い上げた。


「ああっ」
「どうだ。好きなんだろ、こうされるの」


抵抗の気配はない。真人の肉体は、すでに淫鬼の虜になっていた。
レンの舌は真人の硬くなった芽を弾き、唾液膜を作るほどに味わってやる。


「あ、あ…ん、んっ」
「抑えんなよ声。もっと啼け」


真人の顎を掴んで左右に荒々しくゆらす。
レンのもうひとつの手は、細い両脚を割り、禁断の聖門をこじ開けていた。


「ほら、俺の指、何本入ってるかわかるか?」
「あ、はぁ、あ…や、やめ、もうっ」
「いい加減にしねえとケツぶっ壊すぞ」


静寂な怒号が真人の鼓膜を貫く。
一瞬の『フラッシュバック』で身震いしたあと、観念したように、


「さ……ん…っ」
「ちゃーんと数えてんだ。淫乱だ。お前は淫乱だよ、真人」


呼び方が名前に変わり、強い痺れが真人を苛む。
こんなつもりでは。いつのまにかこんなに。


「そろそろ言いたいことがあるんじゃないの?」
「あっ」


頭の中に浮かんだ、侵略者の獰猛さ。レンという人間の汚れた男刀。
悪夢を見続けるうちに、それが習慣化したように求めてしまう自分。
真人はこの瞬間、御曹司の仮面を剥いだ。


「はっ、見ろよ、あの聖川真人が、よりによって神宮寺財閥の人間に、犯されちまってるよっ。
ほら啼け、啼けよっ。てめえばっか綺麗なふりしてんじゃねえよっ、俺ばっかに劣化物の汚名着させんじゃねえよっ。
俺たちは共犯だっ、な?財閥の名前に泥を塗った共謀者だよ。何とかいえよコラっ。しょうもねえ声をあげて、
俺のコレを搾り取ってみせろよ、なあ真人っ。イっちまえよ、狂っちまえよっ、俺と一緒にさっ」


真人の佇まいをこれでもかというほど、巨大な武器で突き破ったあと、
熱い飛沫をその中へ、
真人の神聖な内側へ流し込むのだった。



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