短編


□喧嘩
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今日はボスからのお使いで、
暗殺部隊ヴァリアーに極秘書類を
届ける任務についた。


ヴァリアーに来るのも久々だ。
だ…




『す…すみませーん…』



ル「はぁい…って…あら♡きょんちゃん!?」


レ「ム…!」


『うわぁっ、ルッス!!レヴィ!!久々〜!』


ル「元気してたの!?しばらく顔見せないからみんな寂しがってたのよ!」


『みんな…ねぇ。』


自然と苦笑いが浮かぶ。

みんなの事はもちろん大好き。
でもひとつ大きな問題が…


ガチャ


その時広間の扉が開いた。


ベ「ルッス?誰かいんの…あ!」


『ベル!』


ベ「きょんじゃん!超久しぶり♪」


『わっ…!』


笑顔で思い切り抱きつかれた。
久しぶりのベルの香りがした。


前髪の隙間から時折見える青い瞳に
いつも私は捕まってしまう。



でも更に後ろから誰かに抱きつかれた。


フ「ちょ…きょんじゃないですかー!堕王子ハナレロー。ついでに死ねー。」


『ふっ…フラン!』


可愛いフラン。また身長が伸びた。


ベ「てめフランっ!俺の姫に触れんな。
きょんまでカエルになったらどうすんだ。」


フ「そっちこそきょんを堕姫にするつもりですかー。」



…始まってしまった。また。

手汗が手汗が…
ここにいると心臓が持たない。


ル「うふん、きょんも大変ねぇ。

でもね、もっと大変になると思うわよ。




う・し・ろ♡笑」




三人『『後ろ?』』



ルッスに言われ恐る恐る後ろを振り向く…と


ス「ゔぉおいきょんじゃねえかぁ!」


ザ「…きょん。」


『スク!ザン様!』



ス「楽しそうじゃねぇかぁ!!俺も混ざるぞぉお!!」


スクアーロが私に抱きつくふたりの


更に上から抱きついてきた。


『きゃあっ!スク!?』


ベ「うわきもっ!離れろし!」

フ「ゲロッ!!」


スクってばちょっと酒くさ…っ!
この人はまた昼間から!!


ていうかみんなさりげなく体触ってくる!!


『く…くすぐったい!誰よ腰触ってんのは!はーなーれーて!』


恥ずかしい
くすぐったい
苦しい!


ドキドキするんです!
みんなかっこいいの自覚して!


でも突然私の足が宙に浮いた。
誰かが私を持ち上げて、三人の中から
首根っこを持ってすくい上げてくれたらしい。


『…ぁ』


ザン様だった。


『あ…ありがとうザン様!』


「きょん…さっさといくぞ。」


さ…流石ザン様。極秘書類を見てくださるのね。

ジーンときた。

やっぱりボスだもの。
ちゃんとしっかり…




ザ「…きょんは俺と肉を食うんだ。カス共が。」


『そう!肉を……ぇ…?』



うぇえ!?肉を…食うだと!?

書類は!?書類見ようよザン様!


『ざ…ザン様…?』


ザ「…分かってる。」



分かってないからぁぁ!!

まぁ、そんな事をこんな恐ろしいザン様に
言えるはずもなく。

『ぁあぁああぁぁ…』

ザン様の部屋へ連行されていく。


そんな私にベルが寄ってきて。


ベ「ちぇー、じゃあ最後に…」


『ぇ…』



ちゅっ




リップ音をたてた軽いキス。




『べっ…べべべベルっ!!』


ザ「ちっ…」


ベ「ししっ♪充電充電。」





フ「あぁっ!?先輩だけズルいですー!
ミーも!ミーもキス!!」


フランが駆け寄ってきた…が…


フ「ぎゃっ…」



途中でベルの足につまづいて(引っ掛けられて)前のめりに…!


『ちょっ…危な…!!』




むにぃっ




『っ…!!』




突っ込んだ。



フランの顔面が。


私の胸に。



胸に!








『ふ…ふ…フラ…ン…っ』


顔が一気に上気する。


ベル「糞ガエルてめ…」












フ「…テヘペロ」



しゅばっ



ベ「逃がすかっ」


俊足で走り出すフラン、
それを追う王子withナイフ。



それをハラハラと目で追っていると
突然自分の足が地面から浮いた。


つまり、


また首根っこを捕まった。
もちろん…ザン様に。



ザ「ドカスが…」


『ひぃっ…』



こわーい顔をしたザン様の部屋へそのまま連行された。
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