短編
□待ち受け
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「ぅ…を゛い。」
『きゃっ…あっ…?!』
廊下の隅できょんが一人でなにやらしていたから寄ってみた。
そこで目にした衝撃の事実。
慌てて携帯を閉じるきょん。
だがもう遅い。俺の目には
ばっちり写ってしまった。
「待ち受け…」
俺の写メ…だったよな?
『えと…あの…』
「な…なんでだぁ…」
なんでって聞いておきながらだけど…
待てよそれってきょんが俺の事…
『ご…めん…っ』
きょんは顔を真っ赤にして走り去ってしまった。
*
待ち受け
*
きょんは俺の同じクラスのやつ。
俺は基本誰とも深くは絡まないから、きょんとも特別な関わりはなかった。
それにきょんはおとなしい、目立つ方じゃなかった。
だが待ち受け事件から俺は、きょんの事が気になって仕方がなかった。
授業中ふときょんを見るとばちっと目が会う。
瞬間ぶわっと真っ赤になって視線を泳がせ、ばっと反対側を向くきょん。
あからさま過ぎてこっちが恥ずかしくなってくる。
お互い口は聞けなくて、そんな感じの距離感が続いていた。
ところで…
「「スクアーロくぅうん!」」
休み時間になると決まって寄ってくる女共がいた。
休み時間は寝たい派の俺にとっちゃ、うぜぇだけでしかなかった。
『消えろカス』
「え?なにか言ったぁ?
て言うかぁ、帰り一緒に遊んでこうよー!」
『暇じゃねぇ。』
暇だが。
俺がひとことそう発するときゃあっと黄色い歓声があがる
「スクアーロくんってば素っ気なくて素敵…♡」
毎日毎日いいかげんにしてくれぇ。