短編


□待ち受け
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「ぅ…を゛い。」


『きゃっ…あっ…?!』


廊下の隅できょんが一人でなにやらしていたから寄ってみた。


そこで目にした衝撃の事実。


慌てて携帯を閉じるきょん。
だがもう遅い。俺の目には
ばっちり写ってしまった。


「待ち受け…」


俺の写メ…だったよな?


『えと…あの…』


「な…なんでだぁ…」


なんでって聞いておきながらだけど…


待てよそれってきょんが俺の事…


『ご…めん…っ』


きょんは顔を真っ赤にして走り去ってしまった。





待ち受け





きょんは俺の同じクラスのやつ。
俺は基本誰とも深くは絡まないから、きょんとも特別な関わりはなかった。


それにきょんはおとなしい、目立つ方じゃなかった。


だが待ち受け事件から俺は、きょんの事が気になって仕方がなかった。


授業中ふときょんを見るとばちっと目が会う。
瞬間ぶわっと真っ赤になって視線を泳がせ、ばっと反対側を向くきょん。


あからさま過ぎてこっちが恥ずかしくなってくる。


お互い口は聞けなくて、そんな感じの距離感が続いていた。



ところで…


「「スクアーロくぅうん!」」


休み時間になると決まって寄ってくる女共がいた。
休み時間は寝たい派の俺にとっちゃ、うぜぇだけでしかなかった。


『消えろカス』


「え?なにか言ったぁ?
て言うかぁ、帰り一緒に遊んでこうよー!」


『暇じゃねぇ。』


暇だが。


俺がひとことそう発するときゃあっと黄色い歓声があがる


「スクアーロくんってば素っ気なくて素敵…♡」


毎日毎日いいかげんにしてくれぇ。
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