短編


□順序
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今日はきょんと俺が付き合ってから初めて休日に二人で会った。


しかも俺の家。ベッドの上でふたり腰掛けていた。


でもきょんも元々おとなしい女で、俺も何を話していいか分からない。


さっきからふたりで黙った状態かわ続いていた。


『…』


「…」


『…』


チクタクと時計の音が良く響く。


な…なんかしゃべんねぇと。


『あの…』  「おい…」


見事に重なって喋り出すふたり。


「あ…いいぜ先…」


『いや…隼人君からどうぞ…』


「いや、俺はなんでもないから…どうぞ?」


『…じゃあ。』


と言うと、きょんは俺に向き直り真剣な顔を作った。
童顔で白い肌に赤い頬。真剣な顔をしても人形みたいで糞可愛い。


見上げるようにまっすぐ見つめてくる。
そんなきょんにドキドキと胸がさらに高鳴り出す。


『隼人君…てさ…本当は私のこと好きじゃない…でしょ。』


「は…?」


一瞬こいつが何を言ってるのか分からなかった。


だって俺はめちゃくちゃきょんが大好きだ。
告白された日の夜は興奮して眠れなかったくらい惚れていた。


「何言って…」


『だってさっきからそっぽ向いてつまらなさそうだし…


きっと告白のOKも、優しいから、私を悲しませないように…』


「…っ」


俺がきょんに惚れてる。


そんなこと、言葉にしなくても伝わってると思っていた。
俺はきょんを引き寄せ、抱きしめた。


『ぇ…』


誰かを抱きしめるなんて初めてだったからかっこいい抱きしめ方なんてわかんねぇけど…


それで、きょんの頭を耳が胸板に当たるように押し付けた。


『隼人く…』


「聞こえるか?」


『え…』


「俺の心臓。さっきからこんなに鳴ってる。」


『…ぁ』


「わり…緊張して喋れねぇだけ…。俺お前の事は、ま…まじ大好きだから。」


『は…やと君…』


きょんが嬉しそうに俺の胸に顔をうずめてきた。だから、さらに強く抱きしめた。


なんか甘い匂いすんだなコイツ…
それに予想以上に小さくて柔らかい。


一瞬ムラっとするのを抑える。


『…』


「…」


抱きしめあったまま、また無言の時間を迎えてしまう。


それにしてもこいつ柔らかい…


その時、シャマルの言葉が頭をよぎった…。



シャマル「恋愛相談か?アドバイスはなぁ…まず触れ!」



アドバイスはなぁ…


まず触れ!


マズサワレ!


サワレ…


ドサッ


気づくと俺はきょんをベッドへ押し倒していた。
きょんも困惑の表情を浮かべていた。


『え…と…あの…』


かぁああああ…っと赤くなるきょん。


やべぇ間違えた!シャマルが変なこと言いやがるから勢いで押し倒しちまった…!


どうすりゃいいんだこの状況…!!


「…っ…わり…」


すぐに離れようと身を起こそうとすると、ネクタイを引かれ、グイッと引き戻された。


驚いてきょんを見ると、顔を赤くしながらゆっくりと目を閉じた。


やべぇやべぇやべえやべえ…


プツーン


アタマがショートした。







目を閉じてキスを待ってみたけど、なかなか何も来ない。
不思議に思ってゆっくり目を開けると、隼人君が固まっていた。


だから声をかけようと…


『はや…』


ガバァッ


『きゃっ…』


見えたのは天井と銀色の髪の毛。


固まっていた隼人君が突然私を抑え込み、私のTシャツを胸の辺りまでめくりあげた。


それでそのままその手は胸を捉え、下着を下へズラされる。


『んっ…や…ダメっ…』


それでも隼人君は無言。
一体どうしたと言うのか。


いつのまにか私の両手は、頭の上でまとめて抑えられていた。


隼人君の手が私の胸の突起に触れた。


『ふ…ぁんっ』


瞬間甘い刺激が走って、体がビクンと跳ねる。


甘い声が出る。


やだ…恥ずかし…


『…っ…や!!』


ドガスッ


「うっ…」


『ぁっ…』


あたしは隼人君のお腹を思い切り蹴飛ばしてしまっていた。
それでやっと離れ、私は息も絶え絶えだった。


『はぁ…はぁ…』


「はっ…え…わりっ…俺…突然何して…わり…」


我に返ったらしい隼人君は顔を真っ赤にして自分の手を見て…


そして反対を向いてしまった。


ドキドキが止まらない…


嫌…だった訳じゃなかった。
ただ、びっくりしてしまって…
だっていきなり…


『は…隼人君…ごめ…』


「いや、わり…」


『…隼人君ってば。こっち向いて…』


「…悪かった。」


謝るだけで、一向にこちらを向いてくれない。


『…もう。』


こうなったら…


つつ…つー


隼人君の背中の真ん中を人差し指で縦に線をひいた。
突然の事に、ぞわぞわっと体をくねらす隼人君。


「ばっ…!!なにす…ん…」


ちゅっ


勢いよく振り向いた隼人君に、私は不意打ちで一瞬キスをした。


「…え」


『順序が…ちがう…から。』


「は…」


『順序を…ちゃんと…ね?』


「きょんっ…それは…」


『えっ…?』


「順序を…っ…順序を踏めばヤって良いんだな!!」


ヤっ…!?


『ちっ…ちが…んん』


反論する前にキスで言葉を塞がれてしまった。


隼人君のキスはどんどん激しく、深くなって行く。


じたばたしてももう遅い。



『ふ…んんんんん…!!』



この後はご想像の通り…






*・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・*



緋鉈さん(*^◯^*)
相互記念、獄寺と言うことで
描かせていただきました!

オチが迷子でごめんなさい(~_~;)

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