短編
□守りたいもの
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俺は今日も10代目をお守りするために日々を送っていた。
そして今日は10代目を家までお送りする途中、俺の不注意で俺はケガをしてしまった。
ケガって程でもねぇ、その辺にいた野良猫にひっかれただけだ。
だが10代目はおれを心配してくださって、
「絆創膏とかあるし!たまには上がって行きなよ!」
とおっしゃるので家にお邪魔させていただいた。
「救急箱探してくるね!」
と、10代目は二階へバタバタと上がって行ってしまった。
俺はなんて情けねぇんだ…。
出していただいた麦茶を飲みながら待つこと20分…
さすがに遅いと思い、心配になった俺は二階へ上がっていく。
「10代目〜?」
声をかけるが返事はない。
ドターンッ!
風呂場の方から大きな音がした。
「っ!10代目!?大丈夫で…っ」
俺は風呂場のドアを思い切り開いた。
「す…か…。」
そこにはバスタオルを体に巻きつけただけの女の子がいた。
尻もちをついた状態で、こちらを目を見開いて見上げている。
俺は予想もしない出来事に、動けなくなってしまっていた。
女の子の顔はどんどん歪んで行き、
『きっ…』
まさか…
『きゃあああああああああああぁぁぁぁぁっ!!!』
バッチィィィィン!
案の定、女はよく響きわたる叫び声をあげ、
俺のほっぺたを思い切りひっぱたいたのだった。