短編
□わがままピーターパン
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「バジル誕生日おめでとう!いやぁ〜、バジルはどんどん大きくなるなぁ!もう七つになるんだろう?」
親方様がわざわざ家にケーキをもってきてくれた。日本を知らないおばあちゃんも拙者の為に慣れないおむすびを握ってくれた。
でも…
『…』
「お?どうしたバジル?ムスッとしちまって。誕生日なんだから笑え?」
『…ケーキは好きでござる…おむすびも…』
「おう!じゃあ笑え〜?」
親方様が拙者の頭をわしゃわしゃと撫でた。
パァン
拙者はついその手を思い切り振り払ってしまった。
「バジル!!」
おばあちゃんが叫ぶ。それを親方様が手で制した。
「どうしたんだ?なにかあったのか?」
『拙者は…っ』
『拙者は大人になどなりたくない!』
そう叫んで拙者は外へ飛び出した。
「ごめんよ家光…」
「いやいや!!それにしても…とんだわがままピーターパンだなありゃ…はは。」