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□馬鹿馬鹿しいけど幸せです
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今日も晴れてていい天気だなーなんて思いながらいつもの道を歩いているといつもの曲がり角で日向が待っていた。

「はよー伊月」
「あ、日向おはよー」

日向と合流して目指すは我らが母校誠凛高校。

当たり前のように隣で喋りながら歩くと日向の顔は俺より数cm高い。
そんなんで距離感を感じる筈もなく何時も通り歩を進めて行く。

たわいもない話をしながらでも学校に着くのはあっという間なわけで。

「じゃあまた昼な」
「うん」

クラスが別々な俺達はそれぞれの教室に入り、クラスの友人と挨拶をかわす。


真面目に聞いたり、聞かなかったりする授業を受けながらふと窓から覗けるグラウンドへ目を向ける。

あれ日向いるじゃん。
日向のクラス体育だったっけ。

木吉が日向の隣に言って笑ってるのを俺は無視してグラウンドを見下ろし続ける。

運動場でうん、どうぞ

あ、キタコレ。

数多くあるネタ帳を取り出してサラサラっと書き込むと自慢気にこっそり微笑む。

やっべ板書しねーと。


「もう一本行くぞ!伊月!」

頑張るなぁなんて思いながら俺も後ろでPGらしく指示を飛ばす。

バスケをしてる日向は言わずもがなカッコイイ。
昔から見て来たけど、高校に入ってからますます腕を上げた。
まあそれは俺も同じなわけで。

何で日向のことわかるって?
当たり前じゃん。ずっと隣で見て来たんだから。


「日向ー帰ろー」
「おー、ちょっと待てよ」

汗でびしょびしょになった練習着から制服に着替えて言うと、日向は着替え終わってたけど今日の日誌を書いていたらしい。

「あれ日向今日当番だったっけ?」
「ちげーよ。今日土田用事があって帰っただろ?その代わりだ」

何て真面目に日誌を書き始める日向に流石だなぁと思いながら俺は制汗剤を取り出して手にちょっと注ぐ。

ちなみに匂いはグレープフルーツだ。
理由は美味しそうだったから。


「終わり!帰るぞ」
「うん」

バックを取って部室に鍵をかけると俺達は校門を出た。

あー今日も1日終わるなぁなんて夕日を見るとそう思ったり。

と言ってももう半分空は星空を覗かせていた。

「あー早いなー1日は」
「本当だな。…何かジジ臭くねぇか?」
「こんな風にしてたらあっという間に卒業だねー」
「バーカ!」

いきなりガッと頭を掴まれてワシャワシャっとかき混ぜられる。

「ちょ日向!?」

悔しいけど日向に頭を撫でられるのは好きだった。
何て言うんだろ、落ち着く?みたいな。


「ずっと一緒にいるんだろ?」


そう笑った日向は今沈んでいく太陽のような笑顔で。

俺はほくそ笑みながら照れ隠しに腹にパンチを一発。

そんなこんなで今日も1日が終わっていく。

そんなありふれた日々が


【馬鹿馬鹿しいけど幸せです】


君が隣にいる。

それだけでこんなにも僕の世界は輝いていているんだ。


title.stardust
 

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