965V

□立ち入り禁止区域
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夜になっても晴れていた空には、何時もより綺麗に光の橋が空を渡っている…ような気がした。


中学にセキリュティなんて大それたものはない。
閉まっていた校門を飛び越すと、あっさりと校内に侵入成功。

ドキドキしながら学校に来たのにが拍子抜けだ。

多少違うのは夜の学校は雰囲気が不気味なくらいか。
いくら外見が綺麗だからといって、むしろそれが気味が悪い。


アイツどこにいるんだよ。


うっかり待ち合わせ場所を決めるのを忘れて中に入ったが、黄瀬は見当たらない。


俺が一人で怖々と学校を歩いていると、後ろからドンッと衝撃が来た。

「うぎゃああああああ!!!」
「うわ!?青峰っち叫び過ぎッス!」
「おおおお化け!?…ってお前かよ!」

振り返り、ライトで後ろを照らせば、手を伸ばしたまま慌てる黄瀬だった。


…悲鳴を上げてしまったのは不可抗力だと主張したい。


「お前って何スか!
ほら、行くッスよ青峰っち!」

伸ばしていた手を俺の背に当て、黄瀬は押すように進もうとする。

そのせいか、黄瀬のライトは地面を照らしていた。
俺の手元にあるライトは先の地面を照らしている。

思わず口角が上がった。

「黄ー瀬っ」
「は、うわああああああ!!!」

悲鳴を上げて後退りた黄瀬の目の前にいるのは勿論俺。

その俺は単に顔にライトを当て、振り返っただけだ。

「あああ青峰っち怖いじゃないッスか!」
「さっきの仕返しだ仕返し!」
「もう青峰っち何か知らないッスー!」

黄瀬は泣くまねをして先に走り出す。

「あ、待てよ!」

慌てて追いかけると、黄瀬は楽しそうに笑った。




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