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□部長的禁止令発動
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あるうららかな日差しの差し込む昼下がり。
熱気の籠もる体育館では一つの叫び声が響き渡った。
「だあああああっ!!!ムカつく!!」
それは若松で頭を掻きむしって苛立ちを露わにしていた。
目の前には桜井が立っていて頭を下げている。
「スイマセンスイマセン!」
「桜井スイマセン言うの禁止っ!いいな!」
「え、あスイマセン!」
「だからそれ禁止だっての!」
桜井に取って理不尽な要求に困っていると若松の背後から手を伸ばされた。
振り返れば主将である今吉だった。
「若松、そん位にしとき。桜井のそれはもう癖のようなもんやろ?」
「っでも今吉サン!俺の中のフラストレーションが溜まるんスよ!」
今吉は少し考えると眼鏡の奥にあるその目をさらに細めるようにして笑った。
「あー、だったらこれでどうや?今から部活の終わりまで桜井が謝った回数分ワシが悪戯するってことで」
「ええええええ!!そんなのムリです今吉サン!!あ、スイマセンスイマセン」
「はい一回な」
「あ」
口をあんぐり上げている桜井に耳を寄せると今吉はニヤリと笑った。
「悪戯の意味、履き違えんといてな」
結局桜井は計6回もスイマセンと言ってしまい、夜になって今吉に存分に悪戯されたのだった。
【部長的禁止令発動】
end
―――
ギャグちっくなものを書きたかったんだ…。