捧げ物、頂き物

□魅せられる赤
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俺、降旗光樹は無事二年生になり今京都に修学旅行に来ています!

今日は三日目自由行動で、飲み物を買うためグループを離れた俺の視界の端にバスケコートが目に入った。
さっさと買って来ちゃおう、と自販機に向かって走れば赤が俺の視界を横切る。

「うわキレー!!」

見上げれば綺麗に色付いた赤い紅葉と赤い…髪?

「やあ」

いやいやいやいや!!不良と不良が鉢合わして喧嘩勃発ー、みたいに会ってどうするんだよ!!いやこの場合、バスケ少年降旗とバスケ少年赤司が鉢合わせってのが正しいの?

何にしても何故此処にいる赤司征十郎!!

多少面識はあるのか?と言っても俺、だいたいベンチだし知ってるわけ…、

「降旗光樹」

あったああああっ!!!
え、どうしようどうしようこれ

「あ、赤司く…「僕と一緒に京都観光しよう」

今やってる途中何ですけどね!おもっきし邪魔してるのはお前だけどな!…え?

「ぇ、でも自由行動はグループで…「勿論キミに拒否権はない」

デスヨネー!

「じゃあ行くぞ」

いつの間にかあんなに距離があったのに、俺の手を掴むと引き摺るように歩き出す。

遅い俺を心配して来てくれたクラスメートが結構遠くから叫んだ。

「降旗何処行くんだよ!」

「先行ってて!後で追いつくからぁ!!」

寧ろ助けてくれっ!と言いたかったけど、うん、オヤコロだよ。それからズガタカやられるよ!俺の方が身長低いけどな!!

黒子、火神助けてえええ!!!

俺の心の叫び何か聞き入れられる筈もなく、ただただ俺は赤い魔王様に引っ張られていくだけだった。





場所は先程見かけたバスケコート。
何処から持って来たのか赤司の片手にバスケットボールがある。

「キミのバスケには興味があるんだ」
「えっ…」
「僕とバスケをしよう」

制服の上着を脱いだ彼に習うように、俺も制服の上着を脱いだ。
正直赤司に勝てる確率何か低すぎるが、またとない機会だ。
上着を脱いだ俺を了承と取ったのか俺にボールを渡す。

「1on1でキミが先制で構わない。じゃあ始めよう」

赤司の合図で俺はゴールに向かって走り出した。





数分後息切れをする俺を後目に、赤司は涼しい顔をしてコートに立っていた。

「はぁっ…、キツ…」
「なるほど…筋は悪くはないな」

顎に手を当てながら赤司はボールを何処かへ投げた。
あ、そのボールそこら辺から持って来たんだね。

「だいぶ時間が経ってしまったね。降旗君、集合は何時だい?」
「え、っと18時まで…」
「今が16時だから行けて一つか…。何処行きたい?」
「そ、それじゃあ――…」



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