965long
□決まり文句さ、『未来は誰にも分からない』ってね
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もし、赤司君が目覚めたとして。
僕は何を言えばいいんだろう。
わからなかった。
回らない頭は何を考えても悪いことしか浮かばなくて。
そうしたら僕の光はこう言った。
“おかえり”って言ってやればいいんじゃねぇの?
そう言って僕の頭を撫でた。
*
きっと、赤司君はずっと無理をし続けていたのかもしれない。
マネージャーとして、彼の友人として何も出来なかったことが歯痒い。
ねぇ赤司君。
私達じゃ頼れないなら、他の誰かでもいい。
壊れちゃう前に、頼ってよ。
*
俺はやっぱりバスケが好きだ。
テツに負けてようやく気づけた。
最初っから俺は、俺達は寄り道しまくって、曲がり過ぎたってバスケが好きだってことに。
また、あの頃みたいに皆で集まってさ、
バスケしようぜ。
*
赤司っちの笑い方が好きだった。
俺達とは違った大人びた笑みだったり、ちょっと子供っぽい笑みだったり。
いつからか見ることができなくなってしまったけれど。
休憩して、目を覚ましたなら
笑って、“ただいま”と言って。
*
独りでもいいと思っていた。
俺は静かな方が好きだったし、独りでも何も困らないと思っていた。
試合が終わって、息を吐き出したその時に、笑いながら背を叩くアイツがいる。
隣に誰がいるということは案外悪くない。
そう思うようになった。
*
支えてくれる人。
それはきっと俺達キセキじゃなくて、別の価値観を持った人なんだと思う。
俺と、室ちんみたいに。
独りはきっと寂しい。
だから赤ちんにも、出来るといいな。
そしたらまた笑ってくれるかな。
*