番外

□2度目のクリスマス
2ページ/4ページ

「紹介はあとでしようではないか。それより、屋根にそりがひっかかってしまったんじゃが、とってくれんかのぉ」
「別にええで」
「翡翠は今夜の下ごしらえだろ?それが終わってからにしなよ」
「わーった」
 頷いて家のほうへ戻ろうとすると、彼がまた話し始めた。
「迷惑ついでに、私を他の人に見られないように どこかへかくまってくれんか?
 少々 事情があってのぉ」
 翡翠は数秒動きを止め、晶に視線を送る。
「晶ニィの部屋より 俺の部屋の方がええやろ。広いし、そりかておけんで」
「確かにね。なら、やりますか。女性でないのが 悲しいけど」
 晶が彼の大きな肩を抱く。
「飛ぶから、悲鳴はあげないでくれたまえ。当然、僕のことも周りの人には内緒だよ」
「?」
「せぇーのっ」
 晶が左足で地面に踏み込んだ瞬間、2人の姿は何も無かったように消えうせた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ