番外
□2度目のクリスマス
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「紹介はあとでしようではないか。それより、屋根にそりがひっかかってしまったんじゃが、とってくれんかのぉ」
「別にええで」
「翡翠は今夜の下ごしらえだろ?それが終わってからにしなよ」
「わーった」
頷いて家のほうへ戻ろうとすると、彼がまた話し始めた。
「迷惑ついでに、私を他の人に見られないように どこかへかくまってくれんか?
少々 事情があってのぉ」
翡翠は数秒動きを止め、晶に視線を送る。
「晶ニィの部屋より 俺の部屋の方がええやろ。広いし、そりかておけんで」
「確かにね。なら、やりますか。女性でないのが 悲しいけど」
晶が彼の大きな肩を抱く。
「飛ぶから、悲鳴はあげないでくれたまえ。当然、僕のことも周りの人には内緒だよ」
「?」
「せぇーのっ」
晶が左足で地面に踏み込んだ瞬間、2人の姿は何も無かったように消えうせた。