拍手ログ
□拍手ログ4
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(覇王/テガハジ)
『テガマル様、また彼がお越しです』
「通せ」
『はっ』
受付からの電話での、このやりとりはもう何回目だろうか。
既に受付も”彼”というだけで通じてしまうほど、会社の人間も慣れてしまった。
「テガマル!久しぶり!」
「2週間前も来ただろ。試験中じゃなかったか?ハジメ」
白い学ランはハジメにはあまり似合わない。
ハジメはマナブと同じ高校に行ったらしい。
普通、高校生が社長室に来るのを見るのは、あまり見慣れない光景だが、これがこの会社の普通にまでなってしまったから、大変だ。
「うぐっ・・・・知ってたんだ」
「まぁな」
「・・・今、仕事中?」
「あぁ。だが、そんなに急ぐ仕事もない」
「そっか。無理すんなよ!チヒロとかコブシとかケータイに出ないって心配してたぞ?」
「ん?あぁ、ケータイは電源オフだからな」
「ケータイの意味なくね?」
「仕方ないだろう」
「それじゃ、ケータイの意味ねぇじゃん!」
満面の笑みを浮かべるハジメ。
それが今どれだけテガマルの支えになっていることやら。
最近は、特にいそがしかった。ハジメからのメールも返せないほどだった。
付き合っているとはいえ、寂しい思いをさせているのかもしれない。
「週末だが、時間は空いているか?」
「へ?俺?うん、空いてるけど?」
「そうか。オレも暇だ」
「もしかして・・・一緒に遊べんの?」
「あぁ。丸一日だ」
「仕事は?」
「ない」
「・・・・マジで?」
「マジだが?いやか?」
「そ、そんなわけないじゃん!!!すっげ〜嬉しいぜ!
俺、テガマルと一緒に居るだけで幸せだもん。遊ぶなんて夢みてぇ!」
頬を赤らめて、本当に嬉しそうな顔をみて、テガマルは頭を抱える。
ここで押し倒したい気分だ。
「少し待て」
そういって、電話をどこかにかけた。話し終えた途端、ソファに座っていたハジメのほうに歩み寄る。
「仕事を少し休む。2時間程度だが」
「へ?なにすんの?」
「寝室で2人しかできない運動」
「は、恥ずかしい事言うなよ!!!」
「まだ隠したほうだが、直接言った方がよかったか?セッ・・・・」
「やめろッ!!」
「こっちに来い」
「やだ!!!っていうか、なんでいきなりなんだよ!」
「オマエが煽るから」
「煽ってないし、俺、今、試験中なんだけど!勉強しなきゃいけないんだけど?!」
「観念しろ。それに・・・・」
『恋人との時間は大切にしたいと思うのは当然だろう。ハジメ』
『・・・・オマエ、やっぱ恥ずかしいヤツだよ・・・・』