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(蛙軍曹/ギロクル)




「ぜぇ〜ってぇ、織姫と彦星は付き合ってねぇよ」
「何だ?そのおりひめっていうのは」
「センパイ知らないんすか?七夕のうそ臭いお話だゼェ?」
「あぁ、夏美から聞いた覚えがあるな」
「・・・・・・・あ、っそ」

夏美。その言葉だけで不機嫌になってしまう俺はおかしいのか。
でも、このお話、少しだけ好きな場面があった。

「ギロロ先輩は、愛する者を裂こうとすることできます?」
「はぁ?できるか!」
「ですよねぇ〜。俺は出来ると思うんですよね」
「嫌なヤツだな」

俺は神様の意見に賛成する。
神様が2人の間を裂こうとする場面が好きだ。
だって、アンタと夏美を365日のうち364日だけ離れさせられるって考えたら 少しだけ嬉しくて 少しだけ悲しい。
だって、このお話は好き合ってる者同士というのが前提だからだ。

「・・・クルル、オマエまた何か変なこと考えてるだろ」
「はぁ?」
「今、俺に必要なのはクルル、オマエだけだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!!!」
「なんだ?そういうコトだろ?」
「あ〜もう!!アンタマジで卑怯すぎ!」
「な、何がだ???」


彦星と織姫の話、やっぱ俺好きになれねぇわ。
でも、今日ぐらいは好きになってやる。
やっと会えるんだろ?
365日のうち1日会えるんだろ?
その1日だけは幸せなんだろ?
だったら 好きになってやる。





”今、俺は幸せです”
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