番外

□2度目のクリスマス
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ドスンッ
重たい音と共に三千島家の庭に現れたのは 白いひげのおじさんだった。
「お、おじさん、何やってるのさ」
 庭で花の手入れをしていた晶は 唖然としていた。
「いや、そりで飛んでいたら 落ちてしまったのじゃ」
 おじさんは空の上を指差す。しかし、そこには 何も変哲も無い空が広がっているだけだ。
「おじさん、バカかい?そりで空を飛べるわけ無いだろう。
 それに クリスマスの時期にそんな赤い服着てるなんて どっかでセールでもあるのかい?」
 赤い服を着て 白い髭をはやして 少し太り目のおじさんは 小さな目を見開いた。
「私を知らないのかね?」
「知らないね。というより、初めてそんなかっこうのおじさんを見たよ」
 すると、庭の奥のほうから こちらの方へ向かってくる足音が聞こえる。
「なんや変な音やったけど、どないしたん?」
 エプロン姿の翡翠が 2人をみつめる。
「なんか、おじさんが変なこと言うんだよ」
「誰や?おっちゃん」
 その2人の言葉に”本当に知らないのか・・・”と 落胆しつつも 彼は重い腰を上げる。
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