真選組と新選組!?

□第一部〜イケメンに悪い奴はいないこともない〜
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「暇…」


「暇でさァ…」


ある昼下がり


暖かい陽気がポカポカするなか


僕―真選組一番隊副隊長こと二織梨沙と


真選組一番隊隊長―沖田総悟は、平和に庭でねっ転がっていた


すると、僕の鼻の頭に何かが飛んできた


「ん…?」


何だろうと思っていたら、隣の沖田隊長が体を起こしその正体を確認する


「あ〜てんとう虫でさァ」


報告してくれ、また転がる隊長


「マジですか…」


今度は僕が体を起こし、鼻の頭にチョンと指を置く


すると、てんとう虫が指に移動してきた


「君か。僕の鼻に乗ってたのは」


てんとう虫を見つめる


すると、僕の指から飛び立った


「バイバ〜イ」


飛んでいった方向に手を振り、また寝転ぶ


「暇…」


「暇でさァ…」


2人とも目を瞑ったとき―


「オイお前ら…こんなところで何サボってんだコラァ」


聞きなれた声が聞こえる


目を開けなくても分かるその人は


真選組副長―土方十四郎


鬼の副長として仲間からも敵からも恐れられている


「副長…どうもです」


目を開けず挨拶だけすると


「挨拶は目を開けて体を起こしてから言え」


そう言われてしまう


面倒だな…と思ったので、寝たふりをする


「スースー」


ちゃんと寝息もたててね


「いや、寝たふり決め込んでんじゃねェよ。バレバレなんだよお前ら」


あらら…バレちゃった


てか、"お前ら"って…


大方予想をつけて隣を見る


やっぱり沖田隊長も寝た"ふり"をしていた


「隊長…もうバレてます。起きて別の所に移動しましょう」


沖田隊長を揺する


「しゃーねェな…」


ムクッとお互い起き上がりスタンドアップ


「俺の前で堂々とサボる発言とはいい度胸だなァ…」


言い方は冷静だが怒りが滲みでている


「土方さん、俺らはサボるんじゃねェですぜィ。寝るんでさァ」


隊長の言葉に頷く


「いや、それを世間でいうとサボるっつーんだよ」


いちいち、うるさいな副長は


「ていうかな…。俺は、お前らに出勤命令出しにきたんだ。要するに仕事だお前ら」


「仕事…!?」


やった…これで暇しなくていいや


「えェ〜…」


文句を言いそうな沖田隊長


文句を言う前に副長が内容をいう


「今、隊士達から連絡があってな。ちっとばかし腕のたつ奴らが"しんせんぐみ"を名乗っているらしい」


「それは…攘夷浪士の仕業ですか?」


僕が聞くと


「だと思うんだがな。で、隊士達じゃ歯がたたないからお前らに頼んでしょっぴいてもらうということだ」


要するに強い僕達に、わざわざ副長から直々にお願いしに来たと


そういうことらしい


「分かりました。行ってきましょう」


「えェ〜」


「頼んだぞ」


「はい」


文句を言う沖田隊長を引きずって、僕は現場に向かった




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