ドタバタな日常

□二日目〜3Zのメンバー〜
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靴箱に着き、靴から上履きに履き替え終わったら…


「じゃあ…俺はここで」


晋助は、片手を上げ廊下を歩く


アイツは、普段教室に顔を出さない

その代わりに保健室でサボってるのだそうだ

「おう、またな」

「晋ちゃんまたね〜」

それぞれが晋助に返事をした



「じゃあ、俺達も行こうか?」

神威が俺に誘う

「だな」

俺達、二人は自分たちの教室―3年Z組へと向かった










俺が、ドアをガラリと開けその後ろから神威が入ってくる

「あ!早奈英〜!!おはようヨ」


それに気づいた、クラスの中でも一番仲がいい友達―留学生の神楽が声をかけてきた


神楽は、丸眼鏡をかけたオレンジの髪の可愛い女の子


「おう、神楽!おはよ〜」

可愛らしい高いトーンで喋る

俺を見て、可愛い笑顔を浮かべた神楽だったが…


俺の後ろの人物を捉えて、顔が一気にしかめっ面へ豹変する



「オイ、バ神威。何で、オメェみたいな奴が早奈英と一緒にいるアルか?」


ついでに、声も一気にトーンが下がる


実は、神楽と神威は兄妹らしい

確かに、似てないこともないなと神楽にこの前言ってみたら
「あんなのと似てても嬉しくないネ。むしろ、嫌アル」
と、言われてしまった


何でか、この二人…とてつもなく仲が悪い

酷くなると、教室で殴りあいの喧嘩に発展することもある


しかも、神楽も可愛い顔に似合わず、とてつもなく強い

神威も強いから、教室が半壊しかけることもしばしばある



「え…何?嫉妬??俺が、琴音とイチャイチャしてるからって嫉妬??醜いな〜」

ほら、また始まった

売り言葉に買い言葉だ

しかも神威は、相変わらず黒い笑みを浮かべている

「イチャイチャはしてないぞ」

けど、色々誤解されては困るのでそこだけは否定する


「醜いって何言うてるアルか?お前の方が、よっぽど醜いネ。それくらい自覚しろヨ。だからお前は、いつまでたってもバ神威アル」

メンチを切り始めた二人


「お前こそ何言ってるの?俺がバカなら世の中全員バカだらけだよ」


いや、そんなことはない

バカはお前だけで十分だ

周りを巻き込むな周りを

「あ〜バカじゃないならアホアルか!確かに、頭に生えてるソレ!!アホの象徴ネ!!アホ毛バ神威」


神威の頭のてっぺんを指差して、ケラケラとせせら笑う

それ…アホとバカ入り交じってんじゃん

最悪じゃん


「…本当に殺されたいみたいだね。いいよ、かかってきなよ。優しいお兄ちゃんが相手してあげるから」


ちょっとマジな顔をして、戦闘体勢にはいる


あ…これ。もうそろそろヤバイかも


「優しい?バカも大概にするアル。まぁ、その勝負はうけてやらないこともないアルけどな」


神楽も戦闘体勢にはいる


いつ喧嘩がおっぱじまっても、おかしくないその時

俺が仲裁にはいる


「はいはい。二人ともそこまでだ」

二人の間に割って入って手を叩く

「嫌アル。今日こそは、コイツと決着つけたいネ」


やっぱ、簡単には引き下がってくれない

こうなったら、最後の手段

神楽が、絶対に手を引いてくれる魔法の言葉


「神楽〜喧嘩しないでくれたら、今日のお昼、俺の弁当分けてあげるぞ?」



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