自分より仲間

□第四話〜副長も世間も勘違い?〜
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「遅いな…」


もうすぐ会議が始まる


珍しくこの俺が早く来たっていうのに、土方のヤローが姿を現さねェ


土方だけならともかく、菜乃覇もだ


イラつきまさァ


「今日は、いつもより会議が始まるのが早いの忘れてんのかな〜トシも菜乃覇ちゃんも」


そう、今日は水曜日


毎週水曜日は、いつもより会議が早い


普段、全く遅れない土方が遅れそうになっている


まぁ、それはそれで全然いいんですがね


これで副長の座は俺のもんでィ


な〜んて、思ってたら


「総悟、山崎。トシと菜乃覇ちゃんを連れてきてくれ」


と近藤さんに頼まれてしまった


近藤さんに頼まれてしまっては、断るワケにはいかねェ


「分かりやした。じゃ、ザキ行くぜィ」


「…はい」


俺らは会議室を出ていった











「先に菜乃覇んとこ行きやしょう。最悪、土方は亡き者になったってことで」


「いや、それはダメです」


つーことで、菜乃覇の部屋向かってま〜す


あ〜、このナレーションみたいなの面倒〜


山崎代われ


いや、がんばってください


チッ…しゃ〜ねェな


とかいうやり取りをしている内に、菜乃覇の部屋の前に到着


「菜乃覇さん、入りま―」


山崎の言葉を遮り


「入ってもいいですかィ?」


という言葉と同時に襖を開ける


「確認する前に入っちゃダメですよ。女の子なんだから」


山崎の注意を受け流し、部屋の中に目を配る


「あれ?どこにも居ねェじゃねェか」


そう…もぬけの殻だ


布団が敷いてあるわけでもないし、隊服がかけてあるわけでもない


つーことは、あれだな


隊服着て、屯所内をウロチョロしてんだな


じゃ、コイツはもうすぐ来るか


「山崎、別にどうでもいいが。土方の部屋に行くぞ」


すると、途端に驚く顔になる山崎


「え?でも、菜乃覇さんは??」


監察の癖にちゃんと監察してねェのか


「よく見ろィ。菜乃覇の隊服が無いっつーことは、屯所内のどこかに居るってことでィ。生憎、今頃急いで会議室に向かってるんだろ」


俺は、山崎の返事を待たずして土方コノヤローの部屋に向かった



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