自分より仲間
□第一話〜真選組副長補佐の午前〜
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チュンチュン・・・と小鳥のさえずりが、気持ちよく響くとある朝
「おい、起きろ」
真選組副長補佐の部屋から、男の声が聞こえる
その男―真選組副長土方十四郎
無造作にセットされた黒髪に鋭い双眸を持ち合わせた彼は、顔はいい
顔だけはいい
性格は真面目でまぁいいと思うのだが、色々問題点がある
第一に、とんでもないニコチン中毒だということ
今も、人を起こしに来たくせに煙草を口に咥えている
もう一つの問題点は、また、改めて話すことにしよう
「お〜い菜乃覇。起きろ〜朝だ」
体をゆするが、寝返りを打っただけで起きる気配は一切ない
土方のこめかみがピクリと動く
「起きろっつってんだろォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!」
布団を無理矢理剥がす
「ん〜...寒い」
布団を剥がされて、ブルブルと身震いをする女―高杉菜乃覇こと、如月菜乃覇
一応、主人公であり副長補佐である
「.......あ。副長じゃないですか。おはようございます」
眠そうに目を擦りながら、体を起こす
「"あ"じゃねェよ!"あ"じゃ!」
一括する副長
「もうすぐ会議だから、さっさと着替えろ!あとな、俺が副長なんだから、普通はお前が俺を起こす立場なんだよ!なんで、副長が補佐起こしに行ってんだよ!!」
「ありがとうございます」
「ありがとうございますじゃねェェェェ!!!」
朝から、そんなに声を出してよく疲れないなと思うくらい声をだしツッコミまくる副長
「着替えるんで、出て行ってください」
私は、副長にそう言い放つ
眉をピクリと動かし、顔に血管が浮かぶ
が、ツッコむのが疲れたのか
「...さっさと来いよ。一分一秒でも遅れたら、切腹だからな」
軽い脅しのつもりらしい捨て台詞を吐き、部屋から出て行った