海底に沈む泡沫
□story2
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今シーズンを締めくくったのは
新人HEROの紹介だった
新しく入ったのはバーナビー・ブルックスJr
という世間一般から言うイケメン
まぁ興味ないというか
怖い
私は人付き合いが苦手で
ヒーロースーツの時とかカメラの前以外では結構内気な方だ
今はカメラもないし服装は濃淡のきいているパーティードレスで
眼帯はせず髪の毛で隠している状態だ
私の上司でもあるファイヤーエンブレム曰く
「こっちのほうが可愛いし女の子らしいじゃない❤」
だそうだ
ちなみに私の所属はヘリオスエナジー
ファイヤーエンブレムと同じ所属だが
はっきり言って
上司が同僚だとなんか気まずいというか
ファイヤーエンブレムはヘリオスエナジーの社長 兼
ヘリオスエナジー所属のHEROでもある
ややこしいったらない
まぁそれは置いといて
つまりいまの私はパッと見普通の女の子で
しかも隅っこのほうで傍観している空気の読めない奴なのだ
あー自己嫌悪してきた
だいたい私にはHEROなんて華々しい仕事無理なんだよ
私みたいないつもはうじうじしている奴…
その頃
遠くの方でファイヤーエンブレムが
隅っこでイジイジして暗いオーラを発するニュウを尻目に
ロックバイソンのおしりを触りながら
「そういえばワイルドタイガーは?」
と聞いていた
「それがさっき電話したんだがここには来ないらしい」
「あら拗ねちゃって❤」
と言いながらも
楽しそうにロックバイソンのおしりをきゅっと効果音が付きそうな感じでさわり
「ほんとあなたのお尻ってイイわよね〜」
という
が、そこに
「ファイヤーエンブレム…さん」
とさっきまで自己嫌悪してうじうじしていたニュウが来る
「あら今日は結構立ち直り早かったじゃない」
「いえ、ここでうじうじして雰囲気を穢すことなんて
私なんかがしてはならないので今日はこれで失礼させて頂きます」
とニュウは約90°きっかりにお辞儀をしようとしたが
ファイヤーエンブレムが彼女のほっぺを両手ではさみ持ち上げ
「もぅ!そんな格好でお辞儀したらパンツ見えるわよっ!!」
と一喝された
「ふみまふぇん」
「こんなパーティーあんまりないんだから
うじうじしてないでドラゴンキッドと一緒にケーキでも食べてきなさい!」
「ふぁい」
ほっぺを挟まれて変な声しか出なかったがケーキという言葉に反応したのか
ニュウはこころなしかウキウキしながら(ファイヤーエンブレムがそういう感じに見えたということだが)
ドラゴンキッドがいる方へと向かっていった