ホエ面かかせてやる。
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「また、あのように暴れられては困るからな。どうせすぐ治癒する。」
「相変わらず聖人面して鬼ですね。」
歯を食いしばる燐の姿と2人の会話にごりっと奥歯を噛みしめる海斗。尋問官の一言でざわめきは止まり懲戒尋問が開廷した。被告人のメフィストを元に話が進む。メフィストが燐が悪魔の仔だと認めざわめきが再び法廷内を響かせる。
「(……獅郎……。)」
話の間にちらちら出てくる藤本獅郎という名前に反応する海斗。その目は最初から燐の倒れた姿しか映っていなかった。そして燐の一言で法廷内は静まり返り鬱憤を晴らすかのように叫ぶ燐は青い炎に包まれ聖騎士になると言った。見かねたアーサーが燐に剣を向けるも、尋問官によって阻止された。そして条件付きで生きることを許されたのであった。
「色々条件は出ましたが、寛大な御沙汰で大変結構でした。」
「何が寛大だ。…どうする気だ。」
「……それは……ホラ☆」
「頼む海斗、俺に剣を教えてくれ!!!! 半年で出来るとこまででいい!!!」
外に出たら海斗とメフィストの前で土下座をし頼み込む。
「頼む!!!!」
「…ネッ?」
「”ネッ”じゃねーよ!! どいつもこいつも俺に押し付ける気か!? …まぁ、この間よりはマシな面になったじゃねーか。」
悔しさと根気溢れた燐の表情と思いはにじみ出ていた。額は床のアスファルトを壊す勢いだった。そんな燐の姿を見て表情を和らげる海斗。
「……お前を弟子にしよう。」
雨は燐の涙とともに流れて行った。