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□写真
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「ねぇ〜ハンサム〜、最近どぉ?」
トレーニングセンターの休憩室で1人休んでいると、ファイヤーエンブレムこと、ネイサン・シーモアが擦り寄ってきた。
「最近?そうですね、順調ですよ。この間の事件の時も、虎徹さんの援護があってポイントを取れましたし。」
「んもうっ、そんなことじゃないわよ。そのタイガーのことなんだけど。」
何か企んでいるような笑みを浮かべて、さらにバーナビーに迫ってくる。
「虎徹さんのこと?虎徹さんがどうかしたんですか?」
「・・・アンタ、タイガーとデキてるんでしょ?」
ネイサンの言葉に、バーナビーは顔を真っ赤にして捲し立てた。
「なっ、何言ってるんですか?べ、別に僕は虎徹さんとは・・・そんな・・・」
「隠さなくてもいいのよ〜アンタ達見てればわかるわよ。ねぇ〜いつから付き合ってたの〜?」
バーナビーは一瞬、虎徹がしゃべったのかと思ったが、それは違うとすぐに思い直した。
虎徹は元々、プライベートは他人に話さないほうだ。とすると、勘のいいネイサンが気
づいてしまったのだろうと思い、観念したようにバーナビーは答えた。
「2ヶ月ぐらい前です・・・あの、他のヒーローの方々もその、僕たちのことは気づいているんでしょうか?」
「あ〜ら、2ヶ月も前から!そ〜ぉ、そうだったの〜。どうりでタイガーも幸せオーラが出てると思ってたのよねぇ。あ、多分これ知ってるのはアタシだけだと思うわ〜。
 ブル―ローズも気づいてないみたいだし。」
ネイサンの言葉に、バーナビーはホッと胸を撫で下ろした。
「ところでアンタ達、どこまでイッてるの?まさかもう、やることやってるのよねぇ?」
「//////」
バーナビーは耳まで真っ赤にして返す言葉を失った。
「まぁ、お盛んでなによりねぇ。はぁ〜〜羨ましいわ〜。」
「・・・別にそんなんじゃないです。僕にもいろいろあって・・・」
「あら、もしかして恋の悩み?ならアタシが相談に乗るわよ?」
バーナビーは大きく溜息をついた。
「悩みというか、その・・・僕はいつも虎徹さんに支えられてばかりのような気がして。
 このままじゃいけないと思うんです。バディとしてももちろんですし、恋人なら尚更・・・」
「なるほど、アンタはそんな風に思ってるわけね。でも考えてみなさいよ、タイガーは今までずっと彼なりにやってきたのよ?当然アンタより長く生きてるわけだし、ヒーローとしての経験だってアンタより上よね?」
「それは僕だってわかってます、わかってるんですけど・・・」
そう言ってバーナビーは口籠った。あの写真が頭を過る・・・。
「少しは年上を立ててやりなさいよ。でも・・・たまにはアンタから誘ってみるのもいいんじゃない?恋人って言うならね。」
「・・・え、誘う?」
「でもね、きっとタイガーはアンタが傍にいてくれるだけで十分なはずよ。それだけは忘れないでおきなさいよ。」
そう言ってネイサンは手を振りながらトレーニングに戻ってしまった。
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