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□夢  TIGER side
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家に入るとダイニングに美しい花が飾られ、これまた豪華なご馳走が並べられていた。
「なっ、コレは・・・?」
「もしかして忘れてるんですか?虎徹さん。今日はあなたの誕生日じゃないですか?」
「ええっ・・・?!」
そう言えば忘れていた。まぁ無理もない。
ここ数年、虎徹は誰にも誕生日を祝って貰った覚えがない。
まぁ祝ってくれるような相手もいなかったのだが。

「だからって・・・これ一体どうしたんだよ?」
目の前の出来事に呆気に取られている虎徹を気にする様子もないバーナビーは、弾けるような爽やかな笑顔を向けてくる。
「僕は虎徹さんのように料理はできないので・・・これはすべてケータリングです。まぁ、これはおまけのようなものですが。」
「オマケ・・・?」
まだ状況がよく呑み込めていない虎徹だったが、バーナビーにぐっと顔を近づけられドキッと心臓が高鳴った。

「虎徹さん、誕生日おめでとうございます。」
首に腕を回され、バーナビーが抱きついてきた。
虎徹もバーナビーの背中に腕を回そうとしたが、バーナビーはするりと腕から抜け出してしまった。

「・・・バニー?」
虎徹は、バーナビーの感触が名残惜しくて思わず名前を呼んだ。
バーナビーはおもむろにピンクのリボンを取り出すと、自分の首にリボン結びで縛り始めた。
目を疑ってバーナビーを見ていた虎徹は、エメラルドのようなキラキラした眼差しで見つめられた。
「虎徹さん、今日は僕が誕生日プレゼントです。貰って頂けますか?」
「へっ?えぇっと・・・あ〜あ、勿論!あ、ありがとう、嬉しいよ。って言ってもバニーをプレゼントに貰って、俺はどうすりゃいいんだ?」
「僕はプレゼントなので、ご自由になさって結構です。虎徹さんは脱がせる方が好みですか?それとも積極的に脱いでくれる方がいいですか?」
「はぁあ?バニーちゃ・・・何、それ?」
ますます状況が理解できない虎徹だったが、バーナビーのあまりにもかわいい姿に目を逸らすことができなかった。

「わかりました。僕はプレゼントですから、あなたに何でもしてあげますね。」
バーナビーは結んだリボンを解き、身につけている服までも一枚ずつ脱ぎ始めた。
「バ、バニーちゃ・・・?!」
今度は虎徹のネクタイを緩め、熱に絆された表情を浮かべながらシャツのボタンをひとつずつゆっくりと外していく。
「んんっ・・・ふぅん・・・・・・」
バーナビーの熱い唇で虎徹の口が塞がれる。下唇や舌を吸われ、唇全体を舐められる。
互いの熱い舌が絡み合い、息苦しくなってくる。
「はぁ、はぁ・・・」
「っはぁ・・・虎、徹さ・・・ん、好き、です・・・」
バーナビーは熱い吐息を漏らしながら、露わになった虎徹の筋肉に舌を這わせる。
虎徹はあまり経験したことのない感触に、思わず身体を竦めた。
「バ、バニー・・・いいって、そういうのは俺が・・・」
「は?何言ってるんですか?言いましたよね?僕はプレゼントだって。あなたを・・・虎徹さんを僕が気持よくしてあげたいんです。」
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