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ガラガラ、ガッシャ〜〜〜〜〜ン―――。

キッチンに凄まじい音が鳴り響いた。
恐ろしく散らかったキッチンに茫然と立ち尽くしていたバーナビーのもとに、血相を変えた虎徹が駆け寄ってきた。
「だっ、大丈夫か?バニー?」
「・・・大丈夫じゃない、みたいです・・・すみません・・・」
「あ〜あ〜わかった、わかった。とりあえず片付けるぞ。ガラス散らばってるから気をつけろよ。」
バーナビーは虎徹に背を向けて、無言で片付け始めた。

『虎徹さん、今日は僕がごちそうします。れ、練習したんです!』
そう、バーナビーは虎徹のために好物のチャーハンを振る舞おうとしたのだった。
ホントに大丈夫か〜?と心配しているのか茶化しているのかわからない虎徹を後目に、キッチンで1人作業をしていた矢先だった。
虎徹のために何かしたかった・・・ただそれだけだったのに・・・・・・。

「っつう、イタっ・・・」
「!?大丈夫か?バニー?」
指先に痛みが走った瞬間、今度は生温かい感触に支配された。
「なっ、何してるんですか?」
「何って、消毒。だから気をつけろって言ったろ?」
血液が滲んだ白くて長い指が、虎徹の口に含まれている。
「すみません・・・・・・」
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