biohazard長編更新ベクター
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「マスタァーーー!」
とある少女は
全身黒い男性の背中に
抱きついた。
「うわっ。また名無しさんか。背後から抱きつくなと何回言ったらわかるんだ。」
「だって、目の前にマスターがいたから」
その男は抱きついてきた腕を少し強引に引き離すと
名無しさんはいじけだした。
「はぁ………、名無しさん、午後から俺の訓練だろ?」
「はい!一生懸命頑張りますね!」
「当たり前だ。今日も手加減しないから、必要なものちゃんと準備しとけよ。」
「了解です。」
ペコリとお辞儀をすると駆け足で去っていった。
去っていく名無しさんの背中を見ているとふと思うことがあった。
「……この俺が弟子をとるなんてな………。」
ふぅと息を吐くと
その男―ベクター―も
訓練所へ歩きだした。