青の言葉(12)

□独りの夜
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なんかもう淋しくて
そして分からなくて
時計の針が3を指した
真夜中に傘をとり家を出た

日本一長い商店街も
さすがに静かで
それでも人通りは
まばらにあって
お酒の入った人たちが
楽しく笑っていた

あてもなく
ただ無気力に歩いてた

やっぱり独りだと確認したそれでも誰かといる時に
独りと感じるよりは
幾分かマシだろ、と
自分に都合のいい
理由を付けては
上を向いて涙こらえた

アーケードから出て
傘を開こうとしたが
どしゃぶりの雨に
少し打たれたいと思って
傘はそのまま捨てた

ずぶ濡れになって
家に着いたけど
身体を拭こうともせず
ただ震える自分の身体を
ギュッと抱き締めていた

『このままどこかに
 消えてしまおうか…』

頭によぎった言葉に
もちろん誰も
否定はしてくれなかった

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