青の言葉(12)

□不器用な螢
1ページ/1ページ

ある者は何かに化け
ある者は息を潜めて
獲物を待った
みな器用に生きた
優しさや恋心は
代えが利く部品みたいに
使っては捨てられ
すぐに次を求めた

器用に生きる方が
人生は楽しいと
どっかのキリギリスが
ほざいてた

……

本当の優しさは
悲しみに包まれて
それでも螢は
好きな人を照らしたいと
精一杯光続けた

その優しさや恋心は
偽りではないと示す為
命を懸けて光続けた

そして力尽き
命朽ち果てた螢に
好きな人は言った

『あなたが勝手に照らしてくれてただけでしょ?』と

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ