私は怪物くん
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キーンコーンカーンコーン
いつもと同じように、授業の終わりを告げるチャイムが鳴る
昼休みなので、お弁当を食べに屋上にでも行こうと思い
席を立とうとしたら、後ろから声が聞こえた
「三上さーん」
この声はサエコ先生か
『はい?』
「あのー、お願いがあるんだけど...」
『他の人に頼んでください』
「まだ何も言ってないでしょ!!」
若干涙目になっている
無視はかわいそうか
『お願いって何ですか?』
「三上さんの前の席の吉田くん、学校来てないでしょ?
このプリント吉田くんに届けて欲しいんだけど‥」
『何だ、そんなことですか』
私がため息をこぼすと、サエコ先生の顔がぱあと明るくなった
「じゃあ、行ってくれ『お断りします』…」
『じゃあ、私はこれで』
「.......」
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そんな目で見られると心が折れる...
私がその手に弱いことを、知っててやってるのかサエコ先生
『...あー‼水谷さん!ちょっといいかなぁ!!』
流石にこれ以上は無理
私は通りすがりの水谷さんを身代わりにして
その場からダッシュで逃げた
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