短編集

□中毒症状
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――2日目

「ね、瑠美ってさアレ どのくらいしてる?」

「…アレって…?」

「だからぁ…」

キョロキョロ辺りを確認して、瑞穂は耳に口を寄せてくる。

「お/なにー、だよぅ」

「はぁ?
そんなこと…言うわけ」

「あ、もしかして瑠美、ほとんどしない系?」


いるよね、そういう子…としたり顔で頷く瑞穂に何となくいらっとする。

「うるさいな、フツーだよフツー」

「だからぁ、瑠美のフツーってどれくらい?」


「…瑞穂はどれくらいなのよ」


「瑠美が白状するまでいわなーいっ!」


ニヤニヤと笑う瑞穂に苛立ちが増して行く。


でもこれで怒ったら しない系女子と言うも同然だ。


「はぁ…ばからし」

興味のないふりをすれば
瑞穂はつまらなそうに 口を尖らせた。

「いいじゃーん、こういうのけっこう面白いじゃん」


ぷいと顔を背けて無視する。


と、瑞穂の声音が 変わる。

「…ねー、瑠美」

いたずらっぽいその響きに 頭の中で警告音が鳴る。


「なによ、はやく行かなきゃ
電車待つことになるよ」

こういう声の時、大抵瑞穂は 洒落にならないことを考えているのだ。


反応しないに越したことは無い。


「瑠美ってばぁ」

「うるさい、置いてくよ」

「ね、ちょっとふり向いてみてよ」

「あーもう、うるさいっ!!
一体なに…



…え……?」



振り向いた途端、目に飛び込んできた光景の意味が わからない。

(……は?)


「ねぇ、瑠美…どう?」

2メートルほど後ろに たたずむ瑞穂。


彼女は右手で自らのスカートの裾を持ち上げ



そうして、その暗がりの奧には…



(履いて…ない…?)



柔らかな盛り上がりが二つ
直接のぞいていた。
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