朝、あなたに出会って

□3、息が、とまりそう
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連れて行かれたのは、駅ナカの洒落たカフェだった。

1人では入る勇気の出ないタイプの店。

――佐山 美代子

一番端のカウンターに 私を追い詰めるように座って、その人はそう名乗った。

「あなたは?」

微笑みをたたえた唇が尋ねる。

しのだ まゆ、と小さな声でいいながら、私は美代子さんの瞳に見入っていた。

白い肌に落ちる睫毛の影。
こちらを見つめる黒い瞳は、吸い込まれそうに深い。

「まゆちゃん、可愛い名前ね。」

美代子さんは確かに女神のように、清らかに笑っている。

なのに、椅子の上でクチュリと下着がすれる音がした。

朝は早く、店内は朝食メニューをとる客であふれていた。

ほとんどが女性客。

友達同士で食べている女子高生もテーブル席にいる。

私と美代子さんも店内にすんなりと溶け込んでいた。

(…姉妹に…見えるのかな…?)

目の前の美しい人を見てぼんやりとそんなことを思う。


「まゆちゃん?」

今だって名前を呼んでもらえてるのが信じられない。

(…もう…会えないかと思ったのに…)

全てが夢なのだと言われても、信じてしまいそう。

すっと手が頬にそえられる。
その、冷たい体温に私はピクッと肩を震わせた。

「…どうしたの…?」

心配そうに美代子さんの眉がひそめられた。

その目からどうしても視線を外すことができず、絞り出すように答える。
「…夢…みたいで…」


やっと出た声は、思っていたより小さくて、少し裏がえっていた。

美代子さんが、目を見開いた後、ふっと微笑む。
「…ねぇ、まゆちゃん」
いきなり頭をぐっと引き寄せられる。

目の前には私とは全然違う、豊満な胸。

「今日はもう、学校…休んじゃわない?」

甘やかな香りと柔らかい感触の中で、頭にさらに靄がかかったようになる。

「…ぁ…」

(今日何があるんだっけ……数学…あぁ…テスト…追試…めんどいな…)

ふわっと髪が撫でられて、耳元に吐息を感じる。

「…私と…遊びましょうよ…」
その囁きと一緒に脳内から言葉が吹き飛ばされる。

また、体がジン、と熱くなって、何も考えられない。

私はひれ伏すように美代子さんの胸に顔をうずめたまま、うなずいた。


美代子さんが微笑んで、髪にそっとキスをおとすのが、呼吸でわかった。


「ヤバい!遅刻だよー!」
「マジでー!」

バタバタと出て行く学生。

机に広げていたノートパソコンを閉じて、書類をまとめる音。

ヒールの音がいくつかして、OLが出て行く。

遠くには、改札の馴染みのざわめき。

店内のクラシック音楽に混じって、耳に心地よく届く。


美代子さんに視界をふさがれたまま、たくさんの音が流れこんでくる。

だけど、その中で美代子さんの吐息と鼓動だけは はっきりと感じる。

あの香りと一緒に、次第に音は溶けて行って、美代子さんと自分だけが残る。

「まゆちゃん…」

心地良い声に顔を上げれば、美代子さんがこちらを目を細めて見ていた。
「気持ちいいの…?」

私はいつの間にか美代子さんの膝の上に乗っていて、抱きかかえられる格好になっていた。

「…はい…」

いいながら、また身をすりよせる。

美代子さんの胸からどうしても離れられない。



気づけば、店内は人がまばらになっている。

もう、通勤、通学客はほとんどいないようだった。

「まゆちゃん、下着気持ち悪くなぁい…?」

髪をなでながらふいに尋ねられる。

顔をあげるものの、なぜか、言葉が頭に入ってこない。

「…下着…?」

「そう。汚しちゃったでしょう?」

にっこり微笑む美代子さんの顔を見て、私はよく理解できないまま、つられて笑顔を浮かべた。

私がぼんやりしているのがわかったのだろう。

美代子さんの口調が、いっそうゆっくりと優しくなる。


「ほら、ここ…びしょびしょじゃない。」

スカートの中に手を入れて、美代子さんは熱い部分を軽くつついた。

クチュ、クチュと音がして、一緒に私はピクリと体をはねさせる。

美代子さんが微笑んで、きゅっと私を抱き寄せた。

そうして、ストッキングの膝を押し付けられれば、さらに音が大きくなるのがわかる。

(…恥ずかしい…)


入り口から奥まって、人が少ないとはいえ、ここは店内。

はやくやめなくては、誰かに見つかってしまう。
別に美代子さんは、私を押さえつけているわけではない。

ただ私が彼女の膝からおりればいい。

美代子さんは優しいから、きっと怒らない。


なのに。


動けない。



首をふることさえできずに、ただしがみつく。


「…んぅ…」

気づけば、自分から体をすりよせてしまっている。

「…また…汚れちゃったわね…?」

楽しそうに笑う美代子さん。
その笑顔が眩しくて、さっと俯いてしまう。

そんな私のあごを持ち上げるように撫でると、美代子さんは囁いた。

「…かわいいわ。」

優しい手つきにため息がもれる。

「…さ、まゆちゃん、パンツ脱いじゃいなさい。」

「…え…」

「こんなにぐっちょり濡れたの、いつまでも履いてたら、風邪ひいちゃうわ。」

言葉と一緒に美代子さんの手がスルリとスカートに潜り込む。

(……だめ…)

必死に美代子さんの指においすがる。

でも、自分でもびっくりするくらい、力が入らない。

「……ゃ…」

やっとのことで声を出した時には、私の下着は太ももの半ばまでずらされていた。

「…いやなの…?」

ふと手を止めて、美代子さんがひどく悲しそうな表情を浮かべる。

近距離で、その瞳にのぞきこまれる。

濃くなっていく甘い香りに、頭がくらくらする。



美代子さんは

きれいで。

優しくて。

私の大切な人。


だから、いうこと、きかなきゃ



鼻先を強く香りがかすめて、気がつけば私は必死に首をふっていた。


「そう。」


花のような笑みを見て、ふっと心が温かくなる。


美代子さんが 笑ってる

そう思えばもう、それ以外何もかもどうでもよくなって、私は自分で下着を脱いでいた。


手に持った下着は蜜にまみれて、ぐっしょりと重い。


差し出せば、美代子さんはそれをペロリとなめて私を抱きしめた。

「…おいしい……まゆは…言うこときける、いい子ね…。」

言葉に背筋がゾクゾクとはねる。

(…うれ…しい…)

頬を雫が伝うのが、わかった。

それを優しくすいあげながら、美代子さんが女神のごとく、微笑む。



「いいこのまゆには…ご褒美あげなきゃ…ね…?」


太ももの内を、触られてもいないのに、蜜が伝う。

美代子さんを見つめたまま、私の体がじわじわと熱におかされて行くのを、感じた。
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