たいばに。
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いいようのない気まずさが空気を侵し、虎徹は思わず逃げ出したくなる。
だが、短期間ながらも、ほとんどの時間を共に過ごした相棒の背中から伝わる
わずかな戸惑いに、虎徹は逃げるという選択肢を選べないでいた。
「…虎徹さん……。」
バーナビーのまだ聞きなれない呼び名が耳をかすめる。
あんなにも嬉しく響いたはずの音が、今はどうしてこうも重くのし掛かってくるのだろうか…。
すこし眉をひそめながら、なんだ…とバニーに返してやれば、
いつもより低めの声で、
少し話を聞いてくれませんか。
と言うもんだから、俺はそれよりさらに低い声で、
あぁ…とだけ返した。
次にくる話の内容をなんとなく察しながらも、この吐き気にも似た感情を飲み込むように、虎徹は深く吸った息を肺の奥底へと潜らせる。
それと同時にバーナビーが口を開けた。