たいばに。

□A HAPPY LIFE……? 1
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──トレーニングルーム


「おはようございます。」

プシュゥという機械音とともにトレーニングルームに入ってくるバーナビー。

周囲を見渡すと、奥のダンベルの所にアントニオが居るだけだった。

「おぉバーナビー。今日も早いな。」

バーナビーの存在に気づいたアントニオが、手を挙げ声をかける。
バーナビーもそれに応え、近くまで歩み寄った。

「アントニオさんも早いですね。」

「まぁな。家にいるよりこっちに居た方が何かあった時動きやすいしな。」

「同感です。」

バーナビーは近くにあった手すりにタオルをかけるとランニングマシンに手をかけた。

「他の方達はまだ?」

「あぁ、キースは取材、ネイサンは仕事が忙しいんだとよ。」

他のカリーナとホアンはいつもこの時間は学校に行っている。

イワンは、今日はキースの付き添いらしい。

すると残るは……

「…あの、虎徹さんは?」

聞くべきか迷った後、
別にパートナーなんだしと、ぼそぼそと尋ねる。

「…え、…あ、あぁ…。
……あいつは今日は来ねぇよ。」

するとアントニオは何故か虎徹という単語を聞いた途端、急に言いにくそうに口ごもった。
そして目線を反らしながらそう言い切る。

「来ないって……。有給でも取ったんですか。」

それを見逃さなかったバーナビーはその反応に少し違和感を覚え、無意識に語尾が強くなる。
それに気づきながらも、気にすることはなく、
そのままアントニオに歩み寄った。

「まっ、まぁそんなもんだ…。」

バーナビーの空気が変わるのを感じたのだろうアントニオはその威圧に声が裏返る。

その反応でさらに威圧感を増したバーナビーが後ろに黒い影をまとわせ始めた。
(やばいっ…!バーナビーに殺されるっ…!)

直感でそう感じたアントニオは待て待てっ!と手でバーナビーを制しながら言う。

「今日はあいつの妻の命日なんだよっ!」
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