お題

□愛(君の愛を一身に受けたい)
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Q, 愛 とはなんですか?





「…………あい…?…loveの方?」

「はい。」

爽やかな朝。
珍しくお互いに取れた休日に、昨夜の情事の倦怠感を感じながらものんびりと布団にくるまりながら、そんな質問がバーナビーから虎徹へと投げ掛けられた。


愛、愛と呟く虎徹をシーツに頬杖をつきながら見守るバーナビーは眠そうな顔をしながらもその答えを真剣に待つ。
そんなバーナビーを横目に答え探しをする虎徹は、うーんと頭を悩ませ天井を見上げる。

「…んー…、目に見えないもの?」

「……へぇ、虎徹さんにしては哲学的な答えですね。」

相手からの答えに多少の驚きを感じながらも、特に抑揚のない声で感想を述べるバーナビー。そんなバーナビーに虎徹は「にしては、は余計だっつの。」と口を尖らせた。

「っつか、いきなりどったのよ。」

最初は寝惚けているのかと思っていたが、そういう訳でもなさそうな相手に、虎徹は疑問を投げ掛ける。
こいつはこんなにロマンチストだっただろうか?
いやいや、ないない。

「…この前見たテレビで、同じような質問がされていたんですよ。」

どこか罰の悪そうな顔でそう言うバーナビーは、手持ちぶさたな手で普段なら眼鏡があるはずの場所を指で押さえた。

それで少し気になっただけです。

そう続けるバーナビーをごろんと横向きの姿勢で見上げると、知らず知らず頬が緩むのを感じた。

可愛いところもあるじゃないの。

口には出さないその言葉を心中で呟きながら、バーナビーの胸板にすりよる。
ピクリと動いた相手も、虎徹の頭に顔を埋めて。
二人の間に感じる慣れにくすぐったさを感じながら、こーゆーことじゃね?と虎徹は呟いた。

「何がですか?」

「愛。」

「これが?」

「そ。」

耳に心地よく響く、少しだけ早い鼓動の音に耳を押しあてて、バーナビーの空いている手を自分の左胸にそっとあてさせる。

「…あったかくて。」

「………いとしくて。」

「…んで、ちょっと早い。」

「くすっ、…確かにちょっと早いですね。」

お互いの鼓動を感じたまま、くすくすと笑いあった後虎徹は目を閉じる。

「…なんか…、こうしてると、循環してるみてぇだ。」

不規則に脈を打ち合う心臓が段々と鼓動の早さを合わせていって。

「…はい。ひとつになったみたいですね。」

手を、耳を合わせたところから、溶け合って、ひとつの物体のように混ざり合っていく感覚。

もしかしたら、この感覚が…。
もしかしなくても、この感覚が…。

「「こーゆーこと(だな)(ですね)」」




一つ一つじゃ、たかが恋。

二つそろって、やっと愛。



end

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