宝もの
□目隠しの盾
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君の傷は、私が君を守ってあげられなかった数。
君から目を離してしまった数。
「イワン君…」
ジェイクのアジトへの潜入の成功の代償というのなら、それは大きすぎた。
キースの声に白いベッドの上でぼぅっとしていたイワンは節々の痛みに顔を歪めながら寝返った。
「何でしょう、キースさん。」
でも目が合う時にはもう笑顔が出来上がっていて。キースは胸が締め付けられるような思いだった。
「…こんなに…傷だらけで…」
「ふふ、キースさんもですよ。」
ベッドの横に腰かけるキースの頬に触れた。イワンの手は冷たくて、キースは思わず泣きそうになった。
堪えるようにその手を自分の大きな手で包み込む。
「私、君を守ってあげられなかった…こんなことになるなんて…止めればよかった…ッ」
「そう…ですか…。」
イワンは悲しげに微笑んで、キースの手から逃れるようにするりと頬に添えた手を抜け出させた。
キースにはその悲しげな笑顔の理由がわからなかった…。
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