俺と歌と…守護神様!?
□第1章
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「気分転換でもして来よぅかな」
黄昏時
俺は不意に思い付きで立ち上がって後ろを向くと浅黒い肌に黒髪で一部が紅く、黒曜石の目。さらに漆黒の、昔の中国の軍部のような不思議な服を纏った男が開けっ放しの障子に寄りかかって腕を組み、俺を見ていた
驚きと、この世のモノとは思えないくらい整った顔と筋肉がバランスよくついた肉体。その美貌に見とれてしまった
「…誰だ?何の用で敷地内に入った?」
ゆっくり、自分に言い聞かせながら言葉を発すると男は驚いたように目を見開いた
「覚えてないのか?」
「…何の事だ?」
「約束しただろう。時が来たら迎えに行く…と」
意味が解らない
誰かと間違っているのではないか、それとも新手の誘拐か、と思った事を口にすれば男は眉をひそめて違う、と断言する
見覚えがない男に迎えにきたと云われて混乱しない奴はいないだろぅ。現に俺が良い例だ
「参ったな。記憶が無くなっていたとは…まあいい。俺は夜紅という」
「は?」
「名だ」
「やく」と名乗った男は意味深な事を云い組んでいた腕を解いて近寄ってきた
瞬間に後ろに下がろぅとしたが男の方が早く、抱き締められた
「ッ放せ!?」
「思い出せ…13年前の事を」
「じゅう…さん、年前…?」
「そうだ」
「ッ、ぅあ゙!?」
男が耳元で低く深みのある声音で俺に言い聞かせるように呟いた
一瞬頭が真っ白になったかと思えば、かなりの頭痛が俺を襲った
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