【小説】

□たまには 気分転換でもいかが?
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フィローネの森の 高見台に着地した リンクは急いで 天望の神殿をめざした

時々 デクスズメバチに追いかけられたり と大変だったが 何故だか魔物はリンクを襲ってこなかった


不思議に思ったが 今はギラヒムに会い 事情を伝える事が先決だ


そう思い リンクは足を速めた




「おや?リンク君 どうしなんだい?そんなに慌てて…」


ギラヒムは 扉を開けたと同時に見えた


息を切らしながら 入ってきたリンクを見て 驚きを隠せない表情をしていた


「はぁ…はぁ…ギラヒムっ… 見て欲しいものがあるんだけど…」


そう言うと リンクは深く被った帽子を脱いだ


薄茶色の髪には 茶色の猫耳が生えていた


尻尾も服のなか から取り出してギラヒムに見せた


ギラヒムは 一瞬複雑な表情をしていたが すぐに謎は解けたようだった


「リンク君は……レムリーに噛まれたのかい?」


「うん…」


リンクはうつ向きながら 答えた


自分は 勇者なのに情けない

後ろから来ていた 魔物を気づかず 襲われてしまったのだと改めて 感じた

その時

「…うヴっ!!はぁはぁ」


リンクは おおきなうめき声と 共に床に膝をついていた


心臓が暴れ狂った かのように 激しく脈をうっていた


「リンク君…ちょっと ごめんね…」


ギラヒムは リンクに軽く謝ると 首筋に顔を近づけていた


皮膚に歯をたて ゆっくりと埋め込んでいく


「ううっ…はっ…あっ」


すべて収まりきると ギラヒムはじゅ と音をたてて リンクの血液を吸っていた

辺りは 静かでギラヒムが リンクの血を吸う 音だけが響く


たまに 舌で痛みを消すかのように 舐められると声を出しそうになるので


リンクは下唇を噛んで 声を殺した
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