【小説】

□瑠璃色の空に堕ちた
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いつの間にか 背後をとられていた


首もとには 銀のナイフがあてられていた


「ワタシの美しさに見惚れていたのかい?嗚呼 ワタシは罪深い 」



その言葉と 共に 少しずつナイフが 血と混じりあっていく


「は……離せっ……くっ」

身動きがとれないように


押さえつけられ 動けない

やけに いつもより心臓の音が聞こえる


何故 自分はこんなにも弱いのだろう


悲しき運命を背負っている自分が認められない


少しずつ 視界がぼやけてくる


ゼルダが救えなかったという思いが リンクの心に広がっていく



自分は無力だった


もう 駄目だと思った


その時…



カラン…


血のついた ナイフが地面に落ちていた



「君は…美しいから殺せないよ ワタシは美しいものが好きだから…」

「情がうつった……のか…早く 殺…したほうが楽に…なれるだろ……」


ギルヒムは懐から 布を取り出し

リンクの深い傷に布をあてた


息も 途切れそうになっていた
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