【小説】

□甘くも苦い手作りの
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ある晴れた昼下がり リンクはスカイロフトの町を 気分がてらに散歩していた


「そこのお兄さん ちょっといいかい?」


ふと 声をかけられて 振り向くとそこには 老婆が木の根元に腰をかけて 座っていた


近づいていくと 老婆の手には
小さな飴が握られていた


老婆の目の前に来ると 小さく震える手で 飴を渡された
見るからに普通の飴に見える


「あの これって…っあれ?」


さっきまでいた 老婆はどこにも見当たらなかった


空を見上げると 黒くどんよりとした雲が あたりに広がっていた

ぽつりぽつりと 頬にふれる雨に リンクは 急いで飴をポケットに しまい 自室に急いだ

この後、老婆に貰った飴が 恐ろしい事態になることを まだこの時のリンクは 知らない











「それにしても…ひどい雨だなぁ…」


窓にあたる雨は まるで槍のように叩きつけている

遠くでは 雷鳴が鳴り響いていた
老婆から貰った飴を ころころと舌で転がしながら 机に顔をふせた
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