【小説】

□醜くも美しき精神世界にて
1ページ/4ページ

「はぁ〜〜 寒いな…」


今日のフィローネの森には 雪が降っていた


いつもは 晴れているのだが 今日は珍しく雪がちらついていた


はいた息は 白くなっていて 空も灰色の雲で覆われていた


少し歩くと 高見台が見えてきた


その入り口には 赤いコートを着たギラヒムが立っていた


リンクは久しぶりに ギラヒムを見た


かれこれ リンクは忙しくて3週間ぐらい会っていなかった


はやく 話したい

はやく 抱き締めて欲しい

そう思い リンクは地面が雪で凍っていることも知らずに 走っていた


あと少しで ギラヒムに届く…

そう 思って手を伸ばそうとした時


リンクは滑っていた

目の前に 地面が見えていた リンクは覚悟して目をぎゅっと 瞑った



しかし 痛みはやってこなかった


「危ないじゃないか…リンク君 そんなにワタシに会いたかったのかい?」


いつの間にか ギラヒムの腕の中にいたリンクは 少し顔を赤らめた


すると ギラヒムはリンクの首筋に唇をもっていった

「っ……ふぁ…」


少し強く吸われると 身体が疼く


寒さに身体が ぶるりと震える


歯をたてられると より一層 リンクはいやらしい気持ちになってくる



「ぎ…ギラヒム…駄目…ここ 外だ…よ? だからっ…」

今 だせるかぎりの声をつむぎあわせ ギラヒムを止めようとした


しかし ギラヒムから見るとリンクは誘っているようにしか見えない


誰が見ても ギラヒムと同じ答えをだすでだろう


「じゃあ ワタシの部屋でなら 良いのかい?」


リンクは しばらく黙ったあと 一言だけ返事をかえした


「………うん」


顔を真っ赤にしながら うなずいたリンクに ギラヒムは満足して 指を鳴らした
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ