【小説】

□キスチョコ
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「最悪だ…」


リンクは誰もいない部屋で一人 つぶやいた


何か変なものを食べたのか それとも 誰か風邪をひいていてうつされたのではないか…と考えていたが


すべて あてはまらなかった


外からは バドの声が聞こえてきた


「リンクめ…やっとゼルダと別れたか…ふふっ これでゼルダは俺様のものだな」


そんな仲ではないと否定したかったが あいにく 声もかすれていて でなかった


「はぁぁ…」


おおきなため息をついたリンクには風邪以外にも もう一つ理由があった


それは 今日 いや バレンタインデーのことだった


今日は チョコを作る為 予定を念入りにたてていたのだが…


風邪のせいで 全て台無しになってしまった



日ごろ やけに 魔物が簡単に倒せたり…


謎がすぐに解けたりと…


そのせいで 運を使い果たしていたのかもしれない



それが よりによって今日にぶつかるとは…


リンクは夢にも思ってもいなかった



それと ギラヒムにチョコをあげると約束をしていたのだ


3時には 作りおわるから 部屋に来て と言っていたことを思い出した



リンクは 窓を見て 木の隙間からこぼれている 日の光を見て 大体の時間を考えた



…1時くらいだろうか

あと 2時間もすればギラヒムは来てしまう


会った時にまず ごめんなさいかな…?


そんなことを 考えていると 熱のだるさと眠さで 自然にまぶたがおりてきた


薄れゆく 意識のなかで リンクは謝罪の言葉をくちにした


「ギラ…ヒム……ごめ…ね…」


その 言葉とともに リンクの意識は闇のなかに 沈んでいった
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