日常編
□出会い
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ベンチに座っているとひゅ〜っと冷たい風が吹いてきた。
少し肌寒い。
桜の花びらは散りかけていて儚いものだな、と思った。
『・・・うっ・・・く、薬・・・』
それと同時に胸の辺りに痛みが走ってくる。
息を乱しながらも鞄の中から一つの薬を出して飲んだ。
『はぁ・・・ッ、まだ、治ってはいない・・みたいですね・・』
荒い息、深呼吸して元の状態に戻す。
昔から体が弱くて薬はつき物だった。
今私は一人暮らし。母からも反対されたけど自分の意思を貫き通した。
空を眺めれば眩しく光る太陽。
いつも明るくて、なんて言うか・・・元気で羨ましい。
私は太陽とは正反対な人。
明るいとも思わない、名前も分からない病気で心配をかけてばかり。
そんな自分が憎く思える
しかも、立海でもたくさん迷惑かけてるし
ファンクラブからの虐めが一番キツかったな・・・
呼び出して暴力振るって、「テニス部に近づくな」なんても言われた。
対抗できない自分が悔しかった。
自分のことがなにもできなくて、迷惑ばかりかけている自分が嫌だった。
そのときは不安定で発作がおきやすくて、さっきよりも酷い。
呼吸困難にもなったりして、最悪の場合は「命を落とす」とも言われていた。