もう一度幸せを
□悲しい現実
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あれからずっと泣き続けた紫。
俺はあの状況でどうしてアイツと話していたのかがわからない。
どうして平然といられたんだっ!!
俺は…私はアイツから友達も全て奪われて…憎いはずなのに…っ!!
どうしてアイツと私は似ている"なんて思ってしまったんだよ…
紫「白雪先輩…すみません…こんなぁ、みっともない事ぉ…」
両手で目をこすり涙を拭う紫。
その言葉ではっと目を覚ました。
『大丈夫だ…治療も終わったことだし行くか』
紫「はい♪」
さっきのは…気のせいだったのか?
きっと昔のことを思い出したからか…
少し考えすぎたかな??
そんなことを思いながら俺と紫は外に出た。
『練習はしているみたいだな…』
あたり一面を眺めれば全員が練習していて打ち合っている。
一生懸命練習する姿は微笑ましい。
あん中に混ざって練習したいな…
そんな気持ちが通じたのか紫が俺の手をひっぱって走り出した。
紫「先輩っ!行きましょう!!」
そんな彼女の姿は眩しく見えた。
『不思議だな…』
敵同士なのに…そんな気持ちにはなれなかった。