book

□depend(浜倉)
1ページ/2ページ

「こう…か?」

「違いますよ、この部分をコピーして…」

今日は浜野、倉間、速水で勉強会をしていた。
勉強会といっても、明日学校で提出する時事問題だの何だののレポートの作成をしているだけなんだが。
倉間はパソコンについての知識を全くと言っていいほど持っていない。
そのためパソコンが得意な速水に頼んだらしく、今現在教えて貰っているところだ。
だが、

「なんで俺ん家?」

自身のベッドに寝転がりながらふたりの後ろ姿を眺める。

「仕方ないだろ。俺ん家パソコンねーの」

「んじゃ速水ん家でもいーじゃん」

「僕7時から塾」

倉間は振り返りながら、速水は画面から目を離さないまま当たり前のように答える。

これ以上文句を言っても無駄だと思い、大きく欠伸をしながら寝返りを打った。

「大体お前こそレポートやんなくていいのかよ?」

倉間の言葉に顔だけを向ける。

「とっくの前に終わしたっちゅーの」

小さな舌打ちが耳に入るが、いつものことなのであえて反応しない。

浜野は特別パソコンが得意というわけではないが、普通に使えるくらいの一般常識は持っている。
中2にもなって使えない倉間が異常なのである。
背後から聞こえる会話を聞きながら、部活による疲れからくる睡魔に身を委ねた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ