Treasure Box
□変わらぬ、遺伝の心髄。
1ページ/3ページ
変わらぬ、遺伝の心髄。
※彩佳様との相互リンク記念(おしつけ)妄想小説です!!
※リクエスト⇒『未来トランクスが過去で妹のブラちゃんに会ってデレる』です。
※管理人/キョウスケのシスコンLOVE魂に火がついた⇒燃えた⇒燃え尽きた⇒orz
※ブウ戦後らへんのお話です。
(未来トランクスは人造人間破壊に成功したことを報告にタイムトラベル中です。)
※ガラスのハートすぎるトランクス注意です。
※キャラ崩壊トランクス注意です。どっちも。←
嫌な予感あれど、『どんなもんでもかかってこいやぁー!!』な心意気をお持ちのチャレンジャーさんはどうぞ↓↓
ーーーーーーーーーーーーーー
「……………。」
「……ヒック…ウゥっ…」
はて。
目的地へいざ行かんと歩む歩を思わず止めて、唐突に目に入ってきた光景に、何の思案は無くとも顎に手を当て首を傾げてみる。
「…………っ…。」
思考を働かせようとする脳は、導こうとする答えを拒絶するようにグルグルと黒い“何か”が渦を巻きながら埋め尽くしているようで、邪魔をされてしまう。
――所謂、己の今以上の困惑と混乱を阻止する為の防衛本能という奴だろうか。
「―――…時代を…間違えたか…―」
やってしまった。
思わず洩れてしまう溜め息をそのままにして、人気の少ない公園に目を向ける。
その視界に映るは、数少なくとも置いてある古びた遊具と
錆びた音を立ててブランコを漕ぎながら泣く、一人の“彼女”。
………ではなく、この時代では“少女”と呼ぶべきなのだろうか。
「………かあ…さん、若すぎ…ますよ…」
若い。何故、行く予定であった彼女の時代の彼女よりも若いんだ。いやいやいや、あの少女に責められる謂れは無い。少女は少女の時代というか人生をただただ歩いているだけなのだ。何の否もない。というか否なんぞあってたまるか。
それをっ…無意識にとは言えど、否を溢してしまったオレはなんと非情な人間たるか。
いけないのは誰だ。そうだ、そう。オレだよオレですよ、オレ。あぁ、もうオレって奴はぁっ!!
防衛本能も虚しく、視界に入る現実に見事に本能を討ち破られ、ワナワナと己の粗相っぷりを悔やみ怨む。
字も読み取る事が出来ないくらいにおぼろげ削れた、この公園の名を示す表記石に頭と震える手を着いて思わず自身に落胆してしまう。
自身の情けなさに最早、力のコントロールすらも利かず、着いた手に力が入ってしまったのだろう。ピシリと石に亀裂が入ってしまった。
「―――器物損懐罪――…オレって…奴は…」
そんな普段なれば『普通の地球人とは違うのだから』と流して済ましてしまえるような事さえも、今は嫌に引っ掛かる。
『あぁ…もう…』を繰り返し呟き、地面と向かい合って反省と言う名の自己嫌悪の渦にのまれている刹那、突然に視界を映す景色が変わった。
覗き込むように見上げられる、二つの潤む青みがかった目。
はて。
オレが呆然とする中で、徐々に笑顔を作る少女に
今度は疑問を乗せて思案する。
『オレを知っているのか…?何なんだ?この妙な違和感は。』
オレの服を嬉しげに引っ張る少女。
幼いとは言えども、母さんはこのような表情を他人に作れていたのだろうか。
(いやいや、これは失言だ。)
少女の背に合わせてしゃがみこみ、先程と同じようにして首を傾げて思考を巡らす。
そんなオレに女の子は疑問を抱いたのであろう。
真似をするように小さな母さんもコテリと首を傾げた。
そう、小さな母さ――
「……おにぃちゃん?」
グキリッ
嫌な音が、曲げすぎたオレの首から鳴り上がる。
……が、究極の防衛本能が作動してしまったために痛感も悲鳴も無い。
「おにぃちゃん…?」
―――全機動 停止。
思考が何も巡ってくれない。
「トランクス、おにぃちゃん…でしょ?」
悲しげに口を結ぶ少女に、慌てて首を曲げたまま頷けば、幼子は呆けるオレの頬を嬉しそうに勢いよく横に引っ張り上げた。
はふぇ。
(はて。)
オレは母さん似の幼い少女に『おにぃちゃん』何ぞと呼ばれる知人が、一人としていただろうか?
………否、いなかったはず。
「ま…まさか…か…か…母さんの…隠し子…っ!?
――――何やってるんですか父さん!!!!!…こ、この時代でも母さんを孤独にさせたのかっ!?!?あの人はっ…クッ…」
「……ふぇ?おにいちゃん、かくれん坊したいの?
お顔、ほんとうのオニさんみたいで…ブラ、こわいよ…」
己の怒声に困惑したような顔に戻ってしまった少女。
何故か、とてつもない罪悪感が込み上げてきた。
この子には、笑っていて欲しい…気が、する…。
―――あぁ、もう!!落ち着け…落ち着くんだオレッ…!!!!!!!!
→→